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2人に死刑、1人は無期 闇サイト殺人名古屋地裁判決

2009年3月18日12時12分

イラスト:判決を聞く(左から)川岸健治、堀慶末、神田司の3被告=名古屋地裁、イラスト・市川章三判決を聞く(左から)川岸健治、堀慶末、神田司の3被告=名古屋地裁、イラスト・市川章三

 名古屋市千種区で07年8月、会社員磯谷利恵さん(当時31)が、携帯電話の「闇サイト」で知り合った男3人に拉致され、殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた男3人の判決公判が18日、名古屋地裁であった。近藤宏子裁判長は、神田司(38)、堀慶末(33)の両被告に求刑通り死刑を言い渡した。川岸健治被告(42)については、犯行直後に自首したことを考慮し、無期懲役とした。

 近藤裁判長は「極めて残虐で悪質性が高く、社会に重大な影響を与えた。極刑をもって臨むのはやむを得ない」と判決理由を述べた。

 判決は、3被告が金を奪う目的で磯谷さんを拉致、現金約6万2千円やキャッシュカードを奪ったうえ、ハンマーで頭を数十回殴り、顔に粘着テープを巻き付けて首をロープで絞めて殺害、遺体を山林に捨てたとする起訴事実をすべて認定した。

 判決は、動機について「楽をして金をもうけようとした利欲目的のみだ」と指摘。ネットで知り合った犯罪集団が、躊躇(ちゅうちょ)無く数日間で犯罪を計画・実行した経緯を特異だとして、「この種の犯罪の危険性を実現した極めて悪質な犯行だ」と述べた。

 また、3被告がロープやハンマーなどの凶器を準備し、見ず知らずの女性から金を奪って殺害するということを互いに承諾していたことを指摘し、「拉致後に成り行き任せになるのは当然であり、具体的詳細な日時や場所、手段などが明確でなくても、事前に共謀は成立していた」と認定。「計画的でまことに悪質だ」として、計画性を否定した弁護側の主張は退けた。

 公判は、被害者が1人の殺人事件で、裁判所が死刑を選ぶかどうかが焦点だった。

 検察側は今年1月の論告で、闇サイトで犯罪仲間を募った3被告が金目当てに見ず知らずの女性を拉致し、ハンマーで数十回殴りつけた上、粘着テープを巻き付けて殺害した残虐さや、遺族の処罰感情の厳しさなどを強調。被害者が1人で被告が複数でも、「社会を震撼(しんかん)させた犯行で、更生の可能性はない」と、死刑求刑の理由を挙げた。

 一方、弁護側は、計画性は無かったと主張。刑務所に服役した前科が無いことや、反省の言葉を述べたことなどを挙げ、「生きて償わせるのが相当。死刑を選択するべき事案とは到底言えない」と訴えていた。

 拉致翌日に県警に連絡して自首した川岸被告の弁護側は「被告の自首で捜査が容易になったのは明らかだ」として、刑を減刑するよう求めていた。

 公判で検察側は、磯谷さんの写真十数枚を法廷で映し出すなど、5月に始まる裁判員制度を意識し、視覚に訴える立証を進めた。遺族の証人尋問にも時間を割き、被害者の無念や、遺族の悲痛を印象づけようとした。(岩波精、川田俊男)

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