遠隔医療やオンラインカンファレンスへの可能性
OsiriXはレンダリング性能もきわめて高いと、高原先生は語ります。
高原: |
MRIのレンダリング程度なら良いですね。東海大学病院で使用している「躯幹部拡散強調画像」をQuickTimeや、QuickTime VRにエクスポートすることができるんです。これはたいへんきれいな画像が得られます。PowerBook G4でも十分なパフォーマンスとクオリティを実現できましたが、これがPower Mac G5ならもっと良いだろうと思います。私は「これならPower Mac G5を買ってもいいな」と、思いました。
(高原先生が、実際のレンダリング画像をデモ) |
高原: |
専用のワークステーションでも、なかなかこんなにきれいにはできません。OsiriXはパーソナルな用途、つまり病院のシステムとは別に、医師がDICOM画像を閲覧・ハンドリングするためのツールとしては、とても優れているでしょう。研究用途はもちろん、臨床でサブマシン的に使ってもたいへん役に立つと思いますよ。 |
松岡: |
私は主に研究目的でOsiriXを活用しています。ワークステーションから取り込んだDICOM画像をOsiriXで管理し、解析する画像の選択などにはたいへん重宝しています。たとえば、30枚のCT画像の中から目的の1枚を探し出す、といった作業がOsiriXだととても楽なのです。OsiriXで目的の画像を探し出したら、ImageJでピクセル単位の細かい処理、2値化やヒストグラムによる作業を経て、画像の定量評価を行っています。ある画像の中から一定の大きさ以上の病変箇所をカウントしたり、サイズを計測したりするには、ImageJが向いています。 血管や気管支の径を測定するなどといった用途にも、もちろん利用します。OsiriXもImageJも、ともにフリーウェアでありながらたいへん高い機能を持っているので、手放せません。 |
OsiriXは、iPodやネットワーク上のストレージスペースであるiDiskも直接利用できます。また、iChat AVと連携してオンラインカンファレンスも実現します。通常iChat AVでは、音声と同時にチャットしている人の顔などを表示させますが、顔ではなく、OsiriXのDICOM画像を送信することができます(専用のプラグインが必要)。
高原: |
OsiriXとiChat AVとの連携は、とても面白いですね。遠隔医療に使えるかもしれません。 |
松岡: |
離れた場所にある医療施設をオンラインで結んで、カンファレンスをする場合などに使えそうです。実際にオンラインカンファレンスをしてみようかという話しも当科では出ているのですが、OsiriXと連携できるのなら、いいですね。余計な投資も必要ないし、いいですね。多施設の医師とのカンファレンスは、 臨床に非常に有用なのですが、 その開催場所への移動に時間がかかることもあります。 この方法によるオンラインカンファレンスが実現すれば、 時間の無駄を省けて効率的に勉強出来ますね。また、iPodをOsiriXのストレージとして利用できるんですよね。それもぜひやってみたい。 |
高原: |
PACSベンダーが提供しているシステムで、遠隔でのカンファレンスなどをサポートしているものはまだほとんどないんです。ベンダーに対する仕様書にそれを盛り込んだら「難しいから無理です」と拒否されてしまうくらい。OsiriXの画像をiChat AVでリアルタイムにやり取りできれば、遠隔コンサルトもできますよね。解像度が800×600程度に向上すればより価値が出ると思います。また小さなクリニックが提携して、ネットワーク上のストレージを使い、遠隔で読影を行うということも現実になると思います。CTやMRIなどは、どの科でも使うものですから、OsiriXは私のような放射線科医だけではなく、多くの科で活用できるでしょう。 |
遠隔地をオンラインで結んだカンファレンス、検討会や、遠隔診療において活用し得るだけのポテンシャルがOsiriXにはあるということが、お二人のお話からもわかります。また、放射線科の枠に留まらず、多くの研究や臨床で活用できる可能性を秘めたツールでもあるのです。
高原先生と松岡先生が高く評価されているOsiriXについて、こちらのページで詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
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ImageJ

「ImageJ」は、NIH(National Institutes of Health:アメリカ国立衛生研究所)で開発されたサイエンス系イメージ解析ソフトウェア「NIH Image」の最新版です。NIH Imageは、Mac OS 9以前のClassicアプリケーションでしたが、ImageJはJAVAで開発されており、Mac OS Xのネイティブ環境で動作します。
ImageJは、画像から実際のサイズや面積を求めたり、斑紋状になった大量の対象物(例えば、細胞の数や大きさなど)を計測する、パーティクルアナリシスなどを得意とします。画像を解析した結果は、グラフなどでバリエーション豊かに表現することが可能なので、論文執筆時にも役立ちます。
ImageJにはプラグインが用意されています。豊富なプラグインにより、ImageJの機能を拡張することができるのです。
ImageJのダウンロードはこちら
読み込み対応ファイルフォーマット
TIFF・GIF・JPEG・BMP
DICOM・FITS・PGM・raw |
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