県立病院・地域診療センターの無床化問題で、県議会予算特別委員会で編成組み替え動議が可決された。しかし、17日に盛岡市内で開かれた代表病院長会議では、昨年から続く地元民や議会の無床化議論に対し、県立病院長から「やり方が拙速だと批判するが、机上の空論だ」などと4月からの無床化を求めて猛反発する声が上がった。
会議では、田村均次医療局長が予算委員会でのやり取りを説明したうえで、「25日の本会議まで結論は出ない」と話した。
これに対し、ある病院長は「無床化したら医師の負担ははっきり軽減される」と断言。基幹病院の医師が診療センターへの当直派遣をやりくりする現状を挙げ、「無床化になれば、基幹病院の仕事ができる。現場をあまりにも知らなさ過ぎる」と声を荒らげた。
別の院長は「医師不足は深刻。ベッドを残しても誰がカバーするか決まっていない。このままでは残っている医者もモチベーションが下がる」と指摘。ほかにも「当直の応援に入る若い医師は、(することがなく)行って寝て帰ってくる。地域のためというモチベーションもないままに何百回と当直している」と訴えた。【念佛明奈】
毎日新聞 2009年3月18日 地方版