連載対談 二十一世紀の平和と宗教を語る
21世紀に知性の光を! 大学教育の未来
好評の連載対談も今回で最終回。最終回は、「21世紀における大学教育のあり方」をめぐって語り合われています。コックス教授は、自身の学生時代の指導教授であったアダムズ教授との思い出を通して、「学生にとって大切なのは、教師の情熱を学ぶことです。つまり、自分の教師が研究対象に没入する際の、あの大きな熱意―その感動を体で感じることです」と、教師自身の学問への「情熱」の大切さを語ります。池田名誉会長も、「ダイヤはダイヤでなければ磨けない。人間を真に鍛えることができるのは、人間しかいません。学問という知性の営為も、人格と人格の打ち合いを通してこそ、磨かれ、本物となる」と、教育は「知識の切り売り」ではなく、教員と学生の血の通う「対話」こそ教育の真髄であると語っています。日本においても大きな課題となっている、「教育の再生」に深い示唆を与える内容となっています。
特別企画 トップの戦略
松下電器の大坪社長を取材した片山修氏は、日本の製造業は、構造改革が一段落し、新たな成長に向けて攻めの経営へと舵を切るときを迎えていると指摘している。日本経済の転機に、各分野の企業のトップは何を考えているのか、取材した。松下電器の大坪社長は、グローバルエクセレンス(世界的超優良企業)をめざすと宣言し、売上高1兆円増を含む具体的なGP3計画を打ち出している。爆発的な人気を呼んでいる「Wii」を開発した任天堂の岩田社長は、高性能化を続けているゲームが、かえって難しくなり、ゲーム離れを起こしていると分析し、「ゲーム人口の拡大」を強く訴えた。その読みが的中し、大ヒットにつながった。他にも、テレビショッピングの雄ジャパネットたかたの高田社長は、顧客情報流出のピンチを乗り切った経験を語る。新たな時代をめざして挑戦を続けるトップの言葉は刺激に満ちている。
巻頭企画 世界と日本の針路 北朝鮮問題と日本外交
2月の6カ国協議の合意で、膠着していた北朝鮮の核問題が動きだした。まだまだ予断を許さないが、拉致問題を抱えた日本はどう対応すべきなのか、国際問題に詳しい東京大学の田中明彦教授に論じていただいた。田中教授は、北朝鮮の核開発によって一番深刻な脅威を受けるのは日本であるといい、北朝鮮が核弾頭やアメリカに届く長距離ミサイルを開発する前の段階で、核開発を止めることは日本の国益にかなっていると指摘する。そして、日本が日朝国交正常化の条件として拉致問題の解決を主張し続ければ、拉致問題の解決も可能であると分析する。その際に不可欠なのは中国との協調であるとして、日中間の首脳外交の必要を主張している。教授の冷静で明快な論理は傾聴に値する。
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