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大学生超奮闘記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-03-17

東大理1に1年で受かった勉強法

偉そうに合格体験記でも書いてみようかと思います。知り合いでも来年受験の人が多いので、ちょっとでも参考になればいいなあと思います。

ぶっちゃけると受験勉強は「想像していたよりも楽。」でした。受験勉強を始める前は受験生ってのは寝てる時間と飯食ってる時間以外は全部勉強に当てて、たまに徹夜で勉強する!みたいな偏見をかってに持っていたんですが、全くそんなことは無かった。むしろ学校の授業のコマ数が減るため平均睡眠時間は8時間をゆうに超えた感じだった。(寝ないと動けないんです)

もちろん東大は簡単ではないですが、東大は天才じゃなくちゃ入れないっていうのは確実に嘘。秀才が3年間こつこつ勉強して初めて入れるっていうのも嘘。僕みたいな凡人でも1年間でやることをやれば受かります。僕の場合はちょっと運が良かったこともあるのでそれは言いすぎにしても1年半くらい前から普通にやることやってれば受かるレベルまで学力は到達するはずです。

まあ、受かるレベルの学力があるのと受かる落ちるっていうのは全く別の話なんですが。

あと、色んな人が色んなところにこうやれば受かる勉強法!みたいなのを書いていますが、個人個人で合った勉強法は違うので、色々な方法を試してみて、自分に合ったものをやるのが一番いいと思います。例えば僕の周りには『英語が母国語』だとか『むしろ数学母国語』だとか『一回見たら普通忘れないでしょ?』だとか『化学オリンピック世界大会行きました』だとかそういう特殊能力を持っている人たちがいて、そういう人達は「古文漢文はたるいから勉強しない」とか言って一点突破的な勉強をしていました(個人的にそういう人達は変態っぽくて好きです。)。なのでこの文章も「こういう勉強で受かったやつもいるんだな。」程度に見てくれればいいんじゃあないかと思います。

ちなみに残念ながら僕はそういう特殊能力は持ち合わせておらず、『苦手科目なし、悲しいことに得意科目もなし』だったので「全部の科目で平均ちょっと上を取って受かる」という方針で勉強をしていました。

あと、基本的に家では集中できなかったので、主に塾の自習室、学校の図書館スターバックスに引きこもって勉強していました。暗記作業は寝る直前の布団の中と風呂の中、及び通学電車の中のみで済ませ、机の上では集中して問題集を解きまくるという感じで勉強していました。たぶん机の前に向かって勉強していた時間はあんま長くないんですが、結局勉強効率がよければ短い時間でもいいんだと思います。勉強時間と勉強量はあんまり関係がないと、そういうことです。

ちなみに家庭教師のバイト受付中、詳しくは一番下をお読み下さい。

時期別対策

6月〜9月

うちの開成高校では運動会が一大行事としてあるため、殆どの人は運動会が終わってほとぼりも冷めた6月頃から受験勉強を開始します。

まず理科をやろう!ということで塾と学校の課題以外の受験勉強は理科だけしかやりませんでした。6,7,8月はずっと化学。8月後半、9月はずっと物理をやっていました。

1科目に集中するとわざわざ『勉強のスケジュール』を組まなくていいのでちょっと楽です。

夏休みはなんだかんだ言って自習室に11時ごろついて、休憩を昼食入れて2時間分くらい挟んで19時頃までやって帰る感じだったので毎日6時間くらい勉強していました。

夏に初の東大模試がありますが、普通この時点では殆ど解けません。もちろん僕もE判定でしたが全く気にすることは無いと思いますよ。ここのE判定で「こんな問題無理だわ!」と思って諦める人が多いんですがそれはもったいないです。

10月〜11月

ここで古文漢文を一応一通り理科と同じように一科目ずつ仕上げました。この11月の東大模試直前時点で物理、化学、古文、漢文数学が一通り終わってればいいんじゃないかなあと。

この時期の東大模試の結果は河合塾C判定、駿台B判定という感じでした。

東大模試終了後は物理化学の苦手分野を演習する感じでやってました。数学もちょっと塾のを復習したかな。あとはちょろちょろっとセンターで使う政経の勉強をやっていました。

12月

12月前半に塾の講習で理科を全範囲一周しました。なんとなく全範囲を思い出せてよかった。政経の勉強も本格的に始める。

センター対策はサンタクロース襲来後くらいからでいいと思います。

センター前

センター試験対策としては

  1. まず1科目ずつ目標点を取れるまで過去問、模擬問を解き続ける。
  2. 全科目取れるようになったら後は毎日ほぼ全科目の過去問、模擬問を解く

この頃が一番勉強時間的には長かった。9時間行く日もありました。でもとらドラ見るくらいの時間の余裕はありました。

ちなみに過去問数学なんかは1時間フルに使うけど、英語は50分、その他の科目は30分くらいで解き終わると思うので別に解き終わったらすぐ答え合わせしてました。

二次試験前

とりあえずセンターの自己採点が大丈夫そうだったので、『東大の○○25ヶ年』シリーズを現代文以外の全科目を買ってきて、実戦形式で毎日解き続けていました。何で25ヶ年とか微妙な年数にしたのかっていうと2月1日から毎日といたらちょうど終わるころに本番が来るからなんだと個人的に思う。この時期に大きく伸びます。

ぶっちゃけ全科目やると死ねたので英語は実戦形式あんまりやりませんでした。英語と現代文削れば一日で全科目できるよ!

でも英語リスニングは毎日やった方がいいのでリスニングだけはやるべし!(俺は時々さぼってしまった)

勉強時間は毎日一通りやったら終わりにしていましたので、大体7時間くらい。


科目別対策

数学

一応数3Cまで高二の段階で学校の授業は一周していました。『数学は長い間勉強してなくても成績あんま落ちない』ということを聞いたので、後は学校とSEGという塾の授業を聞いてちょいちょい復習するくらいでした。そうすると12月の時点で『ちょっと成績が相対的に落ちた』程度だったので、1月にセンター試験を本番形式でがつがつ解く、2月に『東大数学25年』を本番形式でがつがつ解く。という感じでやりました。問題集はなんとなくやる気がしなかったので1冊も1周しませんでした。それでもなんとかなるものです。

ちなみに東大数学25ヶ年ですが、問題のレベルがABCDにランク付けされていて、ランクCとランクDは殆ど解くのが不可能なので、AB問題を6問集めてテスト形式で解いていました。ちなみに理1の場合は数学で3完(3問完答の略語、かなり一般的に使われている)すれば勝った感じ、2完で普通、一完だとちょっと厳しいレベル。

ちなみにSEGの授業は人によって向き不向きがありますし、先生との相性もあって一概には勧められませんが、秋から始まるテスト形式の授業はとても良かったので気が向いたらどうぞ。

使った参考書・問題集:SEGの授業(人による)、東大数学25ヶ年(お勧め)

現代文

現代文は二三回本番形式で練習して、形式に慣れるくらいでいいと思います。現代文はみんな取れなくて差がつかないし、勉強すりゃ上がるっていうもんでもないので、比重は極めて低かった。漢字も常識の範囲内なので、よっぽど苦手な人でなければ悪くても1問間違えるくらいで済むでしょう。

使った参考書・問題集:なし

古文

東大の古文は正直言って文法重視ではないので、センター程度の文法知識があれば十分です。

文法は『マドンナ古文』という本を10月頃買って、試験の直前などの度に1周さらっと読んでいたら、完璧ではないですが最低限身につきました。この本は『文法問題を解くための本』というよりかは『和訳をしやすくするための本』なので東大入試には向いている感じです。

あとは『ゴロ565』というゴロで覚える古文単語帳を一通り覚えれば大丈夫です。古文は一つの単語に色んな意味があって覚えづらいんですが、ゴロなら覚えられました。下ネタ多いんで個人的に好きです。これを一通り覚えた後に、模試なんかで女の子がこの本を持っているところを見ると「あー、あの子も『おー!竿さしてもしっかりしてる!』とか覚えてるんだろうなあ」と思えて模試の前にテンションが維持できます。直前期に僕は『東大の古文漢文25ヶ年』で解いていましたが、これは解説がすさまじく酷いためやめといたほうがいいです。

使った参考書・問題集:『マドンナ古文』(お勧め)『ゴロ565』(お勧め)『東大の古文漢文25ヶ年』(地雷

漢文

漢文は取りどころというのが一般論です。僕もそう思う。

勉強時間は少なくてすみます。僕は『漢文ヤマノヤマ』という本を1冊使っただけでした。覚えることも少ない。10回くらい読めばなんとなく出来るようになります。後は学校の授業を聞いているだけでした。個人的に『漢文ヤマノヤマ』は、あんまりまとまっている感じはしなかったのでもっと他にいい本があるでしょう。

使った参考書・問題集:『漢文ヤマノヤマ』(悪くないけどもっといいのがあるはず)

物理

物理も取りどころです。しかもここ数年問題簡単だからほぼ満点も狙える。

僕は基本的に問題数をこなしてパターンを身に着けるのが最も点数を上げる効率が良いと思うんですが、物理に関してはパターンよりも理論をおさえたほうが近道だと思います。公式を暗記するのではなく、基本となるところから導出する形で覚えたほうがいい。そうなると微分積分等の数学的な処理も必要で、現在の課程外の操作もしなくてはいけないんですが、結局誘導つきでそういう問題が出ることは多々あるのでやっておいたほうがいいでしょう。公式暗記だとそこらへんに対応できなくて苦しくなるし、関係性をおさえておくとぐっと問題も解きやすくなると思います。

物理に関してはSEGの授業がとても良かった。SEGの物理の授業は先生によって当たり外れがあるのでどの先生が良いのか知りたい方がいたらメールでも送ってください。

使った参考書・問題集:『SEGの授業』(お勧め)、『セミナー物理』(基本レベルの問題が載っている。このレベルならどの本でもOK、発展問題だけやればいいでしょう。)、『新物理入門演習』(入門と書いてあるけど超難しい。発展レベル。解説が微積わかる人前提なので注意、おすすめだけど微積わからないと意味ない)『東大の物理25ヶ年』(お勧め)

化学

化学は時間が足りないけど、速さがあれば高得点も狙える科目。

東大化学の問題っていうのは『めっちゃ難しく見えるけど実は典型問題』ということが多いので、典型問題をがつがつ量こなせばいいと思います。かなり解くスピードも要求されますし計算量も多いので問題数をひたすらこなすのがいいかと思います。僕は受験勉強始める前まで予備知識ほぼゼロからはじめましたが、簡単な問題を解いていくうちに間違えまくってなんとなくできていくようになります。『問題集をやるのは参考書を熟読してから!』とけおわず予備知識ゼロでも特攻してみてくださいな。

『リードα 化学』(入門)→『重要問題集』(基本)→『化学1・2の新演習』(発展)という順に一周ずつしました。新演習はあまりの難しさに泣きそうになりますが、がんばってください。僕も自習室で泣いてました。

辞書的な参考書が一冊必要です。照井式なんちゃらでもいいんですが、『化学1・2の新研究』という本が最強です。マジお勧め。

使った参考書・問題集:『リードα 化学』(普通)、『重要問題集』(普通)、『化学1・2の新演習』(ダメージ受けるけどお勧め)、『化学1・2の新研究』(とりあえず持っとけ)

理科全般

理科全般に言えることなんだけれども、見たことない問題は誘導に乗っかったり、論理的に常識的に考えたりすると実は凄い簡単だったりするので(今年の物理3番や、化学3問目の後半など)、そういう問題を取れるようになると結構いけます。

英語

東大の英語は速読力がものを言います。単語と文法はどうでもいいので(文法どうでもいいっていうのは言いすぎだけど)速読力自体は高2終わるまでの段階でつけておいたほうがいいです。多読といって簡単な英語の本を大量になるべく早く読むっていう練習が効くと思います。僕は多読はちょっとやっていたので読むスピードだけは早くてだいぶ助かりました。

スピードが遅いとほんとに死にます。問題文が多いので。

わりと速く読むことさえできれば、後は文法と単語を固めて、実戦練習をつめばいいでしょう。

単語帳は人それぞれ向き不向きがあるようですが、僕はDUO3.0をお勧めします。これは例文500個程度に2600ほどの単語&熟語が詰め込まれた単語帳で、要するに例文を500個暗記しろと、そうすれば2600語くらいできるようになるぞと。そういうことです。別売りでCDが売っていますがこれも使わないとDUO3.0の真価は発揮されません。CDをipodにいれて、通勤中ひたすら唱える。そうすれば意外と簡単に例文500個覚えられます。CD使わず単語帳だけだとちょっと微妙かも。

僕は例文500個そらで言えるレベルまでは到達しませんでしたが、そのレベルにまで到達すると自由英作文もその例文の切り貼りでできるようになるらしくてとても便利らしいです。(僕は時々しか例文が出てこなかった、もうちょっとしっかり覚えればよかった)

後はSEGの教材を使っていましたが向き不向きがあるので一概には勧められません。

リスニング過去問聞くのがいいと思います。

使った参考書・問題集:『DUO3.0』(お勧め)『東大リスニング15ヵ年』(お勧め)『東大の英語25ヶ年』(悪くない)

模試

マーク模試は1回は受けておくべきです。数学Iを間違えて解いちゃうみたいな間違いをしないために。だけどマーク模試はセンターよりずっと難しいので、結果はあんま気にしなくていいと思う。

全国統一模試みたいなのは別に受けなくていいと思います。志望校決まってるんだったら。

東大模試は河合と駿台は夏も秋も両方受けておいたほうがいいと思いますよ。問題的中したりしたらいやだし。(東大受験生の8割以上受けているので問題的中するときつい)

本番

本番のコンディションはマジで大切です!

学力的には絶対受かる人でも緊張しすぎたり、病気にかかったりすれば点数は下がります。ちょっと緊張しているくらいがちょうどいいはず。後は試験終わった後「できなかった〜」と思っても引きづらないのが大切。あと絶対に試験の合間に自己採点しないほうがいい、違ってたときのダメージは計り知れません。

実は僕は1日目に数学が1完2半だと思っていて(実は2完2半だった)、かなりやばいなと、何故か凄い焦燥感にかられたんですね。だけど、とにかく家帰ってから明るい曲を2時間くらい流しまくって踊りまくって『YES,WE CAN!』と唱えていたら、なんか自分は実は凄くよくできたんじゃないかと思えてきて、2日目はかなりいい心理状態で迎えることができました。1日目できなかった人にお勧めの方法です。

あと、カフェインいっぱいの栄養ドリンクを昼休みに飲むといい気がする。やっぱ覚醒するとより集中できると思う。


雑記

うちの高校の開成高校っていうのは面白い学校で、東大を目指さないほうがマイノリティでした。東大模試の次の日なんかはみんなその話をしているし(ほぼみんな受けている、何故か東大受けない人も受けている)、東工大数学AO入試の次の日なんかもその問題をみんなであーだこーだ考えてたりしていました。センター試験当日なんか酷くて『お前数学90切ったの?それはやべぇよ』みたいな話をしている人がいて90を切った俺にとっては非常にプレッシャーになりました。卒業式も「今年は英語は易化だった」「数学は2完2半だった」みたいな会話が普通になされていて僕からみてもちょっといじょい感じでした。(もちろん僕も気になって数学何完した?とか聞いてたけど)

そういう雰囲気だと、特にこだわりがない人もふらふら東大を目指してしまい、東大を目指した人は一定の割合で受かる。要するに数うちゃ当たるっていうことです。日本人はまわりに流されやすいらしいですが、開成にいてまわりに流されるといつのまにか東大を目指しているっていう・・・。今から思えば不思議な学校でした。

最後に

こんな僕ですが家庭教師の依頼受付中です!お問い合わせはannyotaka[あっと]gmail.comまで!



ちなみに彼女も募集中です。

key_potpotkey_potpot 2009/03/18 01:11 楽しく読ませていただきました。
効率のよい環境で、効率のよい勉強法をこなしたということですね。

ところで、この手法が有効なのは、どの程度の能力が必要なのでしょう。
>僕みたいな凡人でも1年間でやることをやれば受かります。
とありますが、凄い突出した人材が多い環境での凡人というのは、
普通の公立高校なんかから見れば、優れた能力の持ち主なのかなあ、とも思います。
凡人だけどIQ120~とかだと、標準な人には適用できなさそうです…。

novieranoviera 2009/03/18 03:33 他の部分は別として、
>とにかく家帰ってから明るい曲を2時間くらい流しまくって踊りまくって『YES,WE CAN!』と唱えていたら、なんか自分は実は凄くよくできたんじゃないかと思えてきて
の部分は非常に使えると思った。
おめでとうございます。

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