春は、入園や進学などで子供たちの生活に変化が起きる季節です。家族が安心して新生活を始めるため、ワクチン接種で病気の予防を呼び掛けています。
小児科がある当院と市内2院のデータ=表=を見ると明らかなように、無料の定期予防接種がある麻疹(はしか)と風疹(ふうしん)ではほとんど発症が抑えられていますが、任意接種で接種率が30~40%の水ぼうそうとおたふくかぜは、一定の患者が発生しています。はしかと水ぼうそうは同程度の感染力で、患者と同じ部屋に20分も一緒にいれば感染するとの研究機関の指摘もあります。任意接種はお金がかかりますが、後々の医療費や、保護者が仕事を休むことを考えれば受けたほうが良いのではないでしょうか。
集団生活となれば、規則正しい生活が必要です。「早寝」が難しければ、「早起き」から始めてください。朝日を浴びると脳が目覚め、夜には睡眠ホルモンが分泌して眠れるようになります。成長ホルモンは寝入りばなに多く分泌するので、子供の成長のためにも早寝、早起き、朝ごはんは重要です。
子供は成長していく中で、病気にかかって免疫をつけていかなくてはなりません。熱が出ても食欲があって、普通にしているようならあまり深刻に考えなくてもよいでしょう。それでも、かかると大変な病気もあります。そういうものほどワクチンが存在しますので、予防接種は効果的です。
子供の病気は大変だと思われますが、大抵は栄養、休養、優しい看病があればいいのです。病気になって周囲に優しくしてもらったことがうれしかったという記憶がある人は多いはずです。【山崎明子】
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89年開院。97年からデイケアなどの施設を併設。地域の医療、介護、福祉、教育機関との連携を目指す。総社市井手919(0866・93・8511)。
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<感染症のまとめ>
04年 05年 06年 07年 08年
麻疹(はしか) 0 0 0 5 1
風疹 1 0 1 3 0
水痘(水ぼうそう) 495 271 262 518 310
ムンプス(おたふくかぜ) 358 196 519 115 44
※単位=人、三宅内科小児科医院調べ
毎日新聞 2009年3月17日 地方版