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支局長からの手紙:賛成です /鳥取

 「留学生30万人計画」。2020年をめどに30万人の留学生の受け入れを目指す国の政策です。この計画を推進するため、県内でも鳥取大学や県、青年会議所、ロータリークラブなどでつくる「県留学生等交流推進協議会」(議長、能勢隆之・鳥取大学長)が先月、鳥取市湖山町南4の鳥取大学で開かれ、委員の一人として出席しました、鳥取大学国際交流センター提供。

 協議会の中で、県内の留学生の受け入れは180人前後で推移。昨年も親睦(しんぼく)会や県内観光地を巡るバスツアーなどの交流事業を実施したことが報告されました。

 しかし、文部科学省は「より効果的な事業を立ち上げるため」として、新年度から交流事業費の予算削減を提示。そのうえで、「新年度からは全国レベルでの産官学一体となった留学生支援に関する交流事業を実施する」と理解を求めました。

 委員は「地域と密着した交流事業の参加だからこそ意義がある。人口が減っていく中、日本で仕事をやってみたいと留学生に思われるような交流事業にしたいものだ」と反発。「留学生が置かれている実情は東京と鳥取は全く違う。地方分権が必要で、活性化のためにも、地方を切り捨てないでほしい」などと再考を求めました。

 文科省職員は「胸に突き刺さった。当然、そういった話は出ると予想していた。(代わりとなる全国レベルの交流事業が)盤石で、絶対だとは思っていない」と弁明していました。

 新年度から地方の交流事業の予算をゼロにし、地方に代わって文科省が実施する全国レベルでの交流事業が、全国に散在する留学生のニーズに合うのでしょうか。いまだに文科省から交流事業の具体案は提示されていません。

 8日に掲載された読者と社会問題を考える連載「クロストーク みんなの経済会議」で、経済評論家の勝間和代さんは道州制の導入を提言しています。官僚制度について、「すでにキャッチアップした今でも、中央集権的な行政体制は変わっておらず、予算編成や法制度の新設、改定などの際の非効率な部分が目立っています」と現在の官僚制度が時代に合わなくなったことを指摘しています。

 確かに、日本は欧米に追いつくため中央集権体制にしました。その結果、高度成長を成し遂げてアメリカに次ぐ経済大国になり、バブル経済の崩壊まで経験ました。もう、国は外交や防衛、通貨の発行・管理など国家的事業にだけに取り組み、地域を熟知した地方自治体がその実情に合わせた適切な予算配分を考えるべきでしょう。

 このような理由から、道州制の導入に賛成します。ただし、「平成の大合併」のように単なる自治体のリストラとなる数減らしや、小泉純一郎内閣時代に実施した国と地方の税・財源を一体的に見直す「三位一体の改革」のように、結局は地方交付税を減らして地方の予算を削減し、国の財政難のつけを地方自治体に回すような“改革”なら反対します。皆さんはどう思いますか。【鳥取支局長・高橋和宏】

毎日新聞 2009年3月16日 地方版

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