上伊那地域にある公立3病院の連携や機能分担を含めた地域医療のあり方について、板倉敏和副知事は16日、県として主導的に地域の協議に参加する意向を示した。同問題については、昨年8月に県伊那保健所や3病院、市町村による上伊那地域医療検討会を設置したが、議論の進め方などをめぐり頓挫している。県医療政策課では議論を仕切り直す意味合いも含め、4月にも新たな協議の場を設置したい考えだ。
昭和伊南総合病院(駒ケ根市)を運営する伊南行政組合の組合長を務める杉本幸治・駒ケ根市長ら、伊南地域の4市町村長が同日、県庁を訪れて要望書を提出した。杉本市長は「救命救急センターのあり方を含め、3病院が役割を明らかにして機能分担しなければ地域住民の安心を守れない」と述べ、新たな協議の場づくりを要請した。
これに対し、板倉副知事は「県が加わり検討していくことは、大変大きな前進。精いっぱい、中に入って一緒に検討したい」と前向きな姿勢を示した。
伊那中央病院(伊那市)や辰野病院(辰野町)も、同問題について県の主導的役割を求める文章を、今月中に策定を予定している経営改革プラン案に盛っている。
県医療政策課では両病院の経営改革プランに基づき、各市町村の意向を確認した上で、県と3病院、市町村で構成する新たな組織を設置する考え。建設的な協議の進展を図るため「できるだけ団体の長に近い、権限のあるメンバーで構成したい」としている。