資源化物である雑紙の分別徹底を心がけるようになって、ごみの中に占める紙くずの多さを痛感している。岡山市で家庭ごみの処理が有料化されて一カ月半になる。
二十年近く前に赴任した岡山県北の町では、既にごみ収集が有料だった。おかげで今回もそれほど違和感はなかったのだが、やはり以前は分別が甘かったと反省している。
岡山市の調査では二月末時点で可燃、不燃ごみの総量が対前年比約25%減ったそうだ。ごみに混じって出ていた資源化物の分別が進んだためとみられ、焼却施設の停止も検討されている。
指定袋以外でのごみ出し、スーパーの資源回収ボックスで特定品目以外の家庭ごみが急増など、不心得な行為も伝えられる。有料化を契機に、より多くの人が環境について考えるようになれば幸いだ。
「文明としての江戸システム」(鬼頭宏著)によれば江戸では早くも一六五五年、堀や川へのごみ捨て禁止令が出され、永代島へまとめて投棄されるようになった。ロンドンやパリにごみがあふれていた当時、先進的といえよう。
日本人は昔から自然との共生を実践してきた。ご先祖様にならい、岡山市もリデュース(ごみの排出抑制)先進都市を目指したいものだ。二月の本紙時事川柳に「宇宙でもごみ有料化せにゃならぬ」とあった。