2009-03-15
ヤマカンカメラ=アイロニーカメラ
思想哲学の言葉で言うと、ヤマカンのfix主義というのはソクラテス的なアイロニー主義ですね。
アイロニー(≒皮肉)というものは、たとえばこういうものです。
100mを13.5秒で走れる田舎陸上部のエースが、「オレは足が速い」と自負しててそれが
漏れ出してニオイがひどいと。
普通の人はそこで「け、県大会狙えるね」と合わせてあげるのです。そこでお山の大将は
「それほどでもないぜ。へっ」と自尊心を満たすのですが、
皮肉屋は彼に対して「本当に君は天才だね。絶頂期のカールルイスかボルト並だよ。
オリンピックはどのコーチにつくつもりなんだい?」と「過度に誇張された評価」を
与えてやります。よほどのアホでない限り、この時点で田舎陸上部エースの心には
即座に疑念が生まれ、刹那に皮肉屋の「真意」が伝わります。
ここで、「オレは足が速い」というかつての自己定義と、「実は俺はお山の大将に過ぎない」
というアイロニーの矢で貫かれたあとの自己定義が反転するわけです。
ヤマカンの「無情動・無感情」な固定カメラワークは、へたにキャラクターたちと賑やかに
動く「同調的カメラ」に対して、アイロニカルに働くわけです。
つまり、「同調的カメラ」は中途半端に「きみたちは楽しいかけあいをしているね」
と視聴者に解釈を提示しています。しかしヤマカンカメラは、何も語らない事によって、
「カメラは何も言ってないけど、こいつら”素で”本当にアホなんじゃないか?w」
と視聴者の内面が反転するわけです。
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