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嶋田引退!死力尽くした「人生最高の日」…ダブル世界戦

7回、レフェリーに止められTKO負けの嶋田(左)、ガッツポーズするバレロ

 ◆報知新聞社後援「ワールドプレミアムボクシング」ダブル世界戦(12日・日本武道館) 日本ボクシング史上最年長の王座獲得を狙った嶋田雄大(36)=ヨネクラ=が、怪物王者エドウィン・バレロ(26)の前に散った。足を使いカウンターを狙ったが、7回につかまりTKO負け。試合後、引退を宣言した。バレロは戦績を24勝24KO無敗として、ベネズエラの連続KO記録を樹立。10月にも実現する米国本格進出へ弾みをつけた。

 左目がはれて完全にふさがった嶋田が、声に未練を忍ばせながら、11年のプロ生活に終止符を打つ決意を表明した。「何とも言えないですけど終了です。引退ですよ」。死力は尽くしたが“怪物”を倒すことはできなかった。

 3回には右カウンターがクリーンヒット。「倒れろっていう変な欲が出てきて…。狙いすぎましたね」5回には左ボディーをもらい、息が詰まった。7回。相手の右フックで崩れたところにトドメの右が打ち下ろされた。「もう一回(立って)やろうと思った」最後まで戦い続けるつもりだった。敗戦後、地元・富山から駆けつけた約100人の「嶋田コール」は自然に武道館全体に広がった。「素晴らしい舞台だったけど、僕がチャンピオンになることを夢みてくれた方々に申し訳ない」と、善戦に満足はしなかった。

 25歳と遅いプロデビューを遂げてからは、ボクシング一筋だった。昨年1月、バレロへの挑戦が内定したが、右こぶしを負傷し辞退。帝拳ジムに3度も手紙を送って、今回の対戦が実現した。徹底した食事管理、低酸素トレで36歳になっても体を鍛えた。試合後、医務室を訪ねた王者からはベネズエラ国旗をプレゼントとされ「強いよ、強いよ」と言葉をかけられた。引退を決めたこの日を「人生最高の日」と振り返った。

 ◆嶋田 雄大(しまだ・たけひろ)1971年8月13日、富山市生まれ。36歳。富山一高卒業後にボクシングを始めるために渡米。約1年半後に帰国し、ヨネクラジムに入門。97年6月にプロデビューした。02年3月に日本ライト級王座を獲得。5度の防衛後に返上し、世界挑戦に備えた。身長169・3センチの右ボクサーファイター。独身。

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(2008年6月13日06時04分  スポーツ報知)

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