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皇学館高1自殺、「暴力、暴言」の事実 保護者に説明

2009年3月15日

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 三重県伊勢市の私立皇学館高校1年の男子生徒(16)が同級生からのいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、同校は14日、臨時の保護者説明会を開き、同級生などへの聞き取り調査の結果を報告した。学校側は、男子生徒へのいじめを認めて謝罪し、顔を殴るなどの暴力や下品なあだ名をつけたりする暴言などの事実があったと説明した。

 保護者説明会は体育館で午後5時半から約4時間にわたって行われ、1、2年生の保護者約310人が出席した。

 記者会見した大島謙校長によると、会の冒頭で黙祷(もくとう)し、「いじめを防げなかったことは申し訳ない」と保護者に謝罪したという。聞き取り調査は、男子生徒と同じクラスの39人全員のほか、全校生徒にも実施。いじめの具体的な内容としては、顔を殴る暴力、下品なあだ名を言いふらすという暴言、さらに消しゴムのかすを投げつけるといった嫌がらせがあったことを確認したという。

 このうち暴力は、今年2月下旬、同じクラスの生徒が、男子生徒の好きだったアニメのキャラクターを言いふらしたことに端を発したという。

 男子生徒の遺書には、いじめにかかわっていたとして同級生7人が名指しされていた。学校側が、調査で上がった7人の名前を男子生徒の父親(39)に示したところ、このうち5人が一致したという。この5人については、いずれも暴力などの事実関係は認めているが、いじめとしての認識はなかったと学校の調査に答えたという。

 学校側は、この5人の生徒と保護者と一緒に父親を訪ねて、謝罪することを検討しているという。

 説明会の最後に、出席していた男子生徒の父親が保護者に向かって「家に帰って子どもさんと話して、見たこと聞いたことを匿名でもいいから、学校に送ってほしい」と呼びかけた。別の保護者から「匿名だとうわさがうわさを呼び、事実が分からなくなるので実名で調査してほしい」との発言もあったという。

 学校側は、再発防止策として、いじめ防止のための対策委員会を立ち上げるとともに、生徒の人権を守るため教員の研修を強化する。

 大島校長は会見で「いじめを知ろうと努力していなかったつもりはないが、結果的に気付かなかったことを申し訳ないと思う」と謝罪した。

 説明会後、男子生徒の父親は「学校側の都合のいいことしか報告がない。事実を解明し、問題を解決しようとする姿勢が感じられない」と怒りをあらわにした。遺書で名指しされた7人に対しては「息子に謝ってくれればいい。本当のことを話してほしい」と話した。

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