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男子看護学生、“女性社会”に不安も

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 日本国内で働く男性看護師の数は現在、4万人に上るといわれ、2006年度の厚生労働省の調査では、働いている看護師全体の約5%を占めている。先日、同省の検討会がまとめた提言には、看護職員の確保策の一つとして「男性の看護職員の増員」も盛り込まれ、さらなる活躍が期待される。だが一方で、女性が大半を占める看護の職場で働くことに不安を抱く男子看護学生も少なくない。「女性ばかりの職場でうまくやっていけるのだろうか」―。3月13日に東京都内で開かれた都主催の「男子看護学生交流会」では、先輩の男性看護師に悩みを打ち明ける学生の姿が目立った。

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 交流会には、都内9つの看護学校と都立高校から合わせて76人の男子学生が参加。日本看護協会の小川忍常任理事、日本医科大多摩永山病院の城戸竜一さん(感染症認定看護師)、都立広尾病院救命救急センターの菊地睦さん(救急看護認定看護師)の3人によるシンポジウムの後、シンポジストを含む男性看護師10人が学生と意見交換を行った。

 シンポジウムでは、学生が「男性である意義」について尋ねる場面もあった。これに対して城戸さんは、自院で働く看護師の中で男性はわずか8%であるにもかかわらず、認定看護師の半数が男性である点に触れ、「女性は離職率が高く、男性の方が目標を持ったスペシャリストが育ちやすい」と強調。菊地さんは「男性は力仕事で重宝がられる」としながらも、「患者に接するという点では、男も女も関係ない。協力し合ってケアをする必要がある」と述べた。小川常任理事も、「国家資格なのだから、男性も女性もいることが当たり前。そういう社会でよいのではないか」と指摘した。

■男性側のつらさ、女性も気付いて

 意見交換では、都内の病院などで働く男性看護師7人にシンポジストを加えた10人がアドバイザー役となり、学生の質問に答えた。

 都立大塚病院の平野勇さんは、「みんな怖い人を避けたがるが、仕事ができるから怖がられている面もある。怖い人とうまくコミュニケーションを取ることで、仕事上の知識も増える」と指摘した上で、「苦手意識を持つ人には率先して声を掛けること。その人に認められることで、仕事もしやすくなる」と助言。都立墨東病院の長谷川健一さんは自身の経験から、「仕事が終わった後にご飯を食べに行くなど、男性の先生をきっかけに人間関係が広がることもある」と話し、「それよりも女性の患者さんでの苦労の方が多い。肌が触れるような場面などでは、男性看護師の側から配慮することが大切だ」と述べた。

 また、都立府中病院の小林正樹さんは、「男性看護師の数が増え、病棟を超えたつながりもある。男性ならではの悩みを共有することで、ストレスを発散することも大切だと思う」とアドバイスした。

 看護学生からは、入学後にクラスメートと仲良くする際に苦労した点や、授業で指摘したことに対して女性から集中的に責められたことなど、男性が少ない校内での苦労話も。一方、看護学校への入学に不安を持つ高校生の中には、学校選びについて先輩看護師に助言を求める学生もいた。

 意見交換の終了後、城戸さんは「学校で女子学生の雰囲気にのまれているため、社会に出た後、さらに委縮してしまうのではないか。学生時代にトレーニングをする必要がある」と指摘。一方、小川常任理事は「『あんた、男なんだからしっかりしなさい』というようなハラスメントには、きちんと対処する必要がある」とした上で、「医療は相手への思いやりが原点。女性が男社会で経験した嫌なことは、男性側もつらいということに気付いてあげることが大切だ」と話していた。


更新:2009/03/16 17:16   キャリアブレイン

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