情報収集、「内容の整理を」―産科補償制度
分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児を対象とした「産科医療補償制度」で、脳性麻痺発症の原因分析などを行う日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度原因分析委員会」は3月16日、分娩機関や保護者からの情報収集などについて意見交換した。この中で、分娩機関からの情報収集について委員から「出産から補償の申請まで、半年や1年たっている場合、その時の勤務医の状況など、およそ分からない話」などとして、収集する情報内容の整理を求める声が上がった。
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同制度で脳性麻痺児の分娩を扱った医療機関が同委員会に提出する書類には、病院の病床数や設置主体、医療安全体制などの診療体制や、事例に立ち会った医療従事者の当直日数、オンコール日数などについて記載を求める。
一方、脳性麻痺児の保護者からの情報収集に使用する意見書では、妊娠から出産後に退院するまでの間に、実施された検査や処置、それらに関して受けた説明などについて記載してもらう。
分娩機関からの提出書類について、委員からは「何を目的にした書類なのか、よく分からない。出産から補償の申請まで、半年や1年がたっている場合、当時の勤務医の状況など、およそ分からない話。もっと整理した方がいいのではないか」との声が上がった。
また、保護者からの意見書に対しては、「カルテや母子手帳など、情報がないと記憶をたどるのは難しい。分娩機関から得た情報を家族に渡して、それを基に書いてもらうことなどを検討してほしい」「会話から初めて出てくる情報はたくさんある。丁寧な聞き取りは、(同委員会の)報告書が出た際の保護者の納得への道にもつながるので、聞き取りの仕組みや体制づくりも検討してほしい」などの意見が出た。
同委員会の部会が、分娩機関から提出された診療録などや、脳性麻痺児の保護者からの情報に基づいて医学的観点から検証・分析を行い、原因分析報告書を作成。その後、同委員会で報告書の承認の可否を決定する。報告書は、保護者と分娩機関に提出するとともに、一般にも情報公開する。
更新:2009/03/16 21:15 キャリアブレイン
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