第10回春の福井駅前マラソン大会
4月5日号砲
ゲストランナーは市橋有里さん
【福井発】給付金阻むDV 身隠す妻『届かぬ』2009年3月15日
世帯主一括県内自治体 悩む県内では月末にも支給される定額給付金。住民基本台帳の登録に従って世帯主に一括して支払われるため、配偶者などの加害者から身を隠している家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)被害者には、給付金が行き渡らない恐れが指摘されている。より緊急支援が必要とされている人たちに、給付金は届くのだろうか。 (藤井雄次) 県配偶者暴力被害者支援センターによると、二〇〇七年度のDV相談件数は四百三十五件、〇八年度は十二月末で既に三百九十二件に上る。各警察署や民間団体でも相談を受け付けており、潜在的な被害者を加えるとDV被害者は千人は下らないと見られる。 シェルターや友人宅などに身を寄せているDV被害者の場合、住民基本台帳を配偶者と同一にしたままが多く、離婚問題に詳しい福井市内の弁護士は「加害者の追跡を恐れ、住民票を移すことにためらう人は少なからずいる」と説明する。 国の交付要綱で決められた支給方法を逸脱することを理由に、個別支給を渋る県内自治体は多いが、DV被害者への対応では自治体間の温度差がある。あわら市は「世帯主以外の支給はできない」ときっぱり。鯖江市や越前市は「一律に世帯主への支給でいいのだろうか」と悩む。福井市は「DV被害者本人からの申し出があれば個別に事情を聴きたい」と前向きな姿勢を見せる。 政府は、自治体に支給される「地域活性化・生活対策臨時交付金」を活用し、DV被害者らに給付金と同額を支給する案を示しているが、交付金を給付金に代替するかは自治体の判断に任されており、どの県内自治体も活用には消極的だ。宇都宮市や静岡県沼津市など他県自治体の中には、特例で給付金相当額を支給する方針を示しているところもある。 先の弁護士は「離婚に至るようなトラブルでは生活費さえ支払わない世帯主も多い。DV被害者に行き渡らないどころか、被害者の分も加害者に支給されてしまう」と、何らかの対策が必要と訴えている。
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