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「竹島」を学ぶ授業、島根県の全公立小中学校で本格化へ

2009年3月16日

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 日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島(トクト))を学ぶ授業が、新年度から島根県の全公立小中学校で本格化する。県教育委員会が教師用の手引書や授業で使う副教材を配布。中学校社会科の学習指導要領解説書に竹島が初めて明記されたことも踏まえ、全国に先駆けて竹島を正面から取り上げる試みが始まる。

 「なぜ今、竹島で漁ができないのでしょう」――。

 竹島の写真や島でのアワビ漁を紹介するDVD映像が流れる。韓国とトラブルが起きて上陸できないこと、県が2月22日を「竹島の日」と定めたことなどを教える。手引書が想定する小学5年生の授業(1コマ)だ。

 中学1年の授業(2コマ)では、島周辺の漁業問題、竹島をめぐる日韓の主張の対立ぶりなどを学ぶ。教師が「これから竹島問題にどうかかわっていけばいいでしょうか」と問いかけ、両国が相互理解を深めることの大切さなどを考える中身だ。

 県教委によると、県内の多くの学校ではこれまで、手引書や教材がないため、授業で領有権問題が起きていることを口頭で紹介したり、竹島の位置を地図で確認したりする程度だった。

 ただ、竹島問題は外交問題と背中合わせだ。昨年7月、解説書に明記されると韓国政府は反発、各地で自治体間の交流が中断した。静岡県立大の小針進教授(韓国社会論)は「自分たちが暮らす地域の課題を学ぶことは歓迎すべきだ。竹島編入当時の両国関係や現在の交流も教え、日韓関係の重要性を学べる授業にしてほしい」と指摘する。(徳島慎也、飯塚恵)

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