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【日本の議論】厚労省に乗り込んだ楽天・三木谷氏 薬のネット販売は是か非か (1/6ページ)
このニュースのトピックス:日本の議論
楽天社長の三木谷浩史氏の憤りが収まらない。その矛先にあるのが、一般用医薬品(大衆薬)のネット販売をめぐる6月からの禁止措置だ。厚生労働省で開かれた検討会に自ら乗り込み、「納得いかない」「何か裏の力が働いているんじゃないか!」と持論をぶちまけた。怒りの背景となっているネット通販業界の事情は何か? なぜ、販売が禁止されようとしているのか?
凍り付く会場
「ネットでも安全に販売できる。店舗販売は保護し、ネットは十分に議論もしないまま、規制するというのは何か裏の力が働いているんじゃないか」
厚生労働省で3月12日に開かれた「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の第2回会合。委員として出席した三木谷氏は“裏の力”という表現まで使って、ネット通販業界が置かれている窮地を語った。
2月24日の初会合でも「なぜ、ネットだけがいじめられるのか分からない! ネット販売禁止という、結論ありきの検討会ならやめてほしい」と声を荒らげてまくし立てた。あまりの激高ぶりに会場の空気が凍り付く場面もあった。
実はこの検討会で、ネット通販業界を代表して当初メンバーに予定されていたのは楽天の執行役員だった。だが、初会合が開かれる直前に三木谷氏本人の申し出で名簿が差し替えられた経緯がある。「IT業界の風雲児」自らの緊急参戦が、ネット通販業界の危機感を象徴する。
ただ、19人いる委員の中では三木谷氏のような「規制反対派」は少数派だ。初会合では「規制賛成派」の日本置き薬協会の足高慶宣常任理事長が「ネット上で現実に販売されている偽薬、さらにネット上の悪質販売元などの規制はできるのか」と反論。過去の薬害被害者らも「大衆薬といえども重大な副作用が起きる可能性がある」と規制の必要を訴えた。