風味堂が結婚式ライブ…“演奏料”１３２万円は経費除いて“ご祝儀”に

結婚式でライブを行った「風味堂」（左から）鳥口ＪＯＨＮマサヤ、中富雄也、渡和久

　３人組バンド「風味堂」が１５日、愛知・豊田市の名鉄トヨタホテルで行われた同市在住の会社員夫妻の結婚式で特別ライブを行った。昨年１２月にネット競売サイト「Ｙａｈｏｏ！オークション」で「新郎新婦のために結婚式で演奏する権利」で１３２万１０００円で落札されたもの。風味堂は永遠の愛を誓った新郎新婦のために４曲を熱唱。落札金額は必要経費を差し引き、結婚祝いとするなど粋な計らいもあり、新郎新婦を感激させていた。

　「一生に一度の純愛」をテーマにした最新シングル「大切にするからね」を歌い終えると、ボーカルの渡和久（３１）は「これからも、お二人で力を合わせて幸せに歩んでいってほしい。僕らも参加させていただき、ステキな思い出ができた」と心を込めてあいさつ。「幸せになってほしい」というメンバーの素直な気持ちが、温かいハーモニーとなって会場全体に充満した。

　感涙にむせぶ二人を前に、同曲のほか、この日が誕生日で“Ｗおめでた”となった妻の山本陽子さん（２９）のリクエスト曲「メリークリスマス、、、。」「君が生まれたその喜びを今夜僕らは歌にしよう」を披露。アンコールを受けて急きょ「ナキムシのうた」も披露するなど計４曲で魅了。「風味堂」の醸し出す音楽空間に、約５０人の視線が絶えず注がれた。

　緊張気味だった３人も、大役を終え、一様にホッとした表情。渡が「幸せオーラを頂き、楽しく演奏できた」と話せば、中富雄也（３０）も「和やかな空気の中でできて良かった」。鳥口ＪＯＨＮマサヤ（２９）も「会場全体が雰囲気を和ませてくれて、一体になることができた」と振り返った。

　夫婦そろって同バンドの熱狂的ファンということがきっかけで、貴重な機会を手にした憲明さん（３０）は「言葉に表せないくらい、本当に幸せ」と感無量。陽子さんも「泣きそうでした」と繰り返し感謝した。

　落札価格は１３２万１０００円だったが、会場使用でかかった費用を差し引いた金額を“お祝い”という形でお返しすることに。文字通りノーギャラでプライスレスなパフォーマンスとなった。３人は成人式や卒業式などでのライブにも意欲的で「皆さんの人生の節目となるような行事でライブができたら」。新たな“式”での演奏を約束した。

　◆１８日新アルバム　○…「風味堂」は、１８日に約１年半ぶりの新アルバム「風味堂４」を発売する。同作は３人によるセルフプロデュースで、「大切に―」を始め「世界一甘いキスを交わしたら」「アイノコトバ」など１２曲を収録。渡は「自分たちのやりたいことが表現されたアルバムになった。新しいスタートの一枚になる」と自信を見せている。