十五日午前五時ごろ、横浜市戸塚区東俣野町の国の重要文化財「旧住友家俣野別邸」から出火、木造二階建ての同別邸母屋約六百五十平方メートルを全焼したほか、隣接する工事用事務所と資材置き場のプレハブ二棟計約百八十平方メートルも全焼した。当時は無人でけが人はいなかった。
戸塚署によると、現場には火の気がなく、出火元も分からないことから、十六日以降に現場検証を行い、詳しい出火原因を調べる。
同署などによると、別邸は復元工事中のため高さ約三メートルのアルミ製フェンスで囲まれ、近づくと警備会社に通報する赤外線センサーが設置されていた。
十四日は作業員九人が午前八時から午後六時ごろまで屋根の下地工事を行い、午後七時半ごろ出入り口を施錠。その際、センサーを起動させて帰宅したという。だが、火災発生時までにセンサーは作動しておらず、出入り口も施錠されたままだったという。
◆旧住友家俣野別邸 1939年に財閥の住友家16代当主の別邸として建設された。昭和前期モダニズムの趣向を凝らし、中世以降のヨーロッパ北部で見られる建築様式を基調とした和洋折衷建築。2004年に国重要文化財に指定。管理団体の市は昨年1月から復元工事を進めていた。事業費は約1億6000万円で11年春には完成し、一般公開される予定だった。
|