WEBタイムス 2009年(平成21年)3月6日1055号
 行政・くらし

アストラムラインを五日市駅に延伸して 地元で要望が再燃

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五日市駅への延伸要望が佐伯区で再燃しているアストラムライン
 【佐伯区】公共交通機関の手薄な地域を抱える広島市佐伯区石内地域と活性化を望むコイン通りなどを中心に、同市のアストラムラインの五日市駅延伸を望む声が再燃しつつある。お年寄りや小さな子どもを抱える母親、車を運転できない人などの足確保と地域の活性化などを目的に、地元広島市佐伯区の五日市商工会(二本松治義会長)は同商工会内部に、延伸実現のための小委員会(大江英毅会長)を発足した。地域住民、団体、企業など広範囲に呼び掛け意識を高めて、市に地元延伸を訴えていく考えだ。
 石内、八幡をはじめ周辺の五月が丘団地などの住民にとり直接五日市駅に向かう公共交通機関は路線バスしかない。
 石内地区のバスの便数は、月-金の平日が1日14便、土曜日が15便、日祝日が6便(3月4日時点)。「しかも、午前の石内バイパス-五日市中央経由と午後の旧道-中地経由とに分けられており実際に各地区半分程度の便しか利用できないのが実情」と大江会長は、窮状を訴える。
 同地区の石内まちづくり協議会が昨年実施したアンケート結果では、アストラムラインの石内経由五日市方面延伸を「実現に向けて要望した方が良い」という回答が全体の92%を占めた。「石内の将来のまちづくりを考えると公共交通は必要」「石内全体でアンケートをとり、気持ちを一つにして全力で取り組むべき」といった意見もあった。
 現在、佐伯区の北側、安佐南区の広域公園前駅(広島修道大学前)が発着点のアストラムライン。市の延伸計画では、西区の己斐峠をトンネルで抜けJR山陽本線西広島駅への連結ルート案が2002(平成14)年11月に正式決定したが、その後、表立っての動きがほとんど聞かれない。
 五日市地区への延伸要望は、過去にもあった。平成11年12月には、広島市佐伯区選出の県議会議員3人、広島市議会議員6人が一堂に会する「佐伯区選出県・市議会議員懇談会」がアストラムラインの佐伯区方面への延伸推進を活動の中心に申し合わせた。西区商工センターなどへ延長して環状化を望む声も少なからずあった。
 同委員会の延伸案は、石内バイパスとの並走などいくつかある。延伸できれば、周辺住民の利用増はもちろん、安佐南区や廿日市市との出入りも増え、活性化につながるという期待もある。
 五日市商工会も地元の活力アップの起爆剤にと全面展開する構えだ。広島市西区商工センターへの延伸、環状化など夢を大きく膨らませてもいる。
 「まずは、地域の人たちに理解・協力してもらいアンケートなど積極的に展開して、延伸への期待と気運を盛り上げていく」(同委員会・大江英毅会長)予定だ。


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