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【疑惑の濁流】献金はみかじめ料? 西松事件で浮かぶ「政・業」の危うい“パワー・バランス” (3/3ページ)
このニュースのトピックス:疑惑の濁流
ただ、献金が特定の工事受注のためかというと、必ずしもそうではないという。
ゼネコン関係者はこう打ち明ける。
「業界では、小沢事務所に受注の邪魔をされたくないから競って献金するし、選挙の応援もする。献金は保険みたいなもの。一種のみかじめ料といってもいいかもしれない」
みかじめ料とは、“暴力装置”が飲食店などから徴収する用心棒代のことだ。
建設業界は度重なる談合の摘発や公共工事の減少などで弱体化し、そこに政治家側が付け入って幅広くカネを徴収する−。両者の微妙なバランスを示す象徴的な比喩(ひゆ)といえる。
捜査関係者は「ゼネコンと政界の癒着構造は今も昔も変わっていない」とした上で、こう指摘した。
「政治家は基本的に何もしないことが多い。隠然たる影響力をちらつかせて業界から献金を集める。それが法に触れず、有効にカネを集める手口だ」
小沢氏は公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が逮捕された後の記者会見で「私はなんらやましい点もありませんし、政治資金規正法にのっとって正確に処理し、収支もオープンにしております」と語った。
小沢氏はこれまでも、自身の政治資金問題が浮上するたびに適法処理を強調し、その場をしのいできた。だが、そのオープンな献金の“性質”が問われたのが今回の事件である。
「東北での影響力を期待した西松から、違法な献金を受け続けた構図は収賄とよく似ている」(検察関係者)。特捜部は、ゼネコン側などから一斉に参考人聴取して実態解明を進める。
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