(CNN) ネズミ講に似た巨額投資詐欺で昨年逮捕された米ナスダックの元会長、バーナード・マドフ被告(70)が12日、罪状認否で有罪を認めた。公判を傍聴した被害者からは、政府の監督責任などを追及する声も相次いだ。
マドフ被告は証券詐欺など11件の罪状すべてについて有罪と答弁した。刑の言い渡しは6月16日の予定。最大150年の実刑となる可能性がある。
同被告は13年間にわたり、投資家から総額650億ドルの資金を集めながら、実際には運用していなかったことを認めた。逮捕後に1000万ドルの保釈金を支払っていったん釈放されたが、同日あらためて拘置された。
事件の被害者は4000人に上ると推定され、中には全財産を失ったケースもある。この日の公判では被害者用の傍聴席50人分が設けられた。
被告の会社への間接的な投資で損失をこうむったニュージャージー州上院のロレッタ・ワインバーグ議員は「証券取引委員会(SEC)はなぜ詐欺の実態を把握できなかったのか」と怒りをあらわにした。
300万ドルを超える財産をつぎ込んだというリチャード・フリードマン氏は、「被告には150年の実刑判決と、刑務所の中での長い人生を望む」と語る一方、架空の所得にかけられた税金の返還を当局に求めた。
ベネット・ゴールドワース氏は財産の大半に当たる400万ドルを失い、「すべてを見届けたい」との思いで傍聴席に座ったという。「人生をめちゃくちゃにされたのに、政府はなんの救済策も示していない」と不満を述べた。