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宜野湾市退職職員の緊急援護資金設立1年2009年3月15日

 【宜野湾】宜野湾市の退職職員の寄付金でつくられた「緊急援護資金」が設立から1年を迎える。これまでに3人が資金からの貸し付けを受け、返済した。真に困った人に“即決即金、無利子、無担保”をうたった同資金を借りた市民から「本当に助かった」と感謝の声が寄せられている。
 困窮家庭には福祉基金の貸し付けや生活保護などの制度があるが、いずれも調査に時間がかかり支給までに2週間から1カ月かかる。窓口業務を通して当座の食費にも困る人の相談を受けていた職員22人が、昨年3月、退職を機に2万円ずつ出し合い同資金を設立した。
 現在基金は44万円。4月に就職面接のため県外への旅費が必要という男性に5万円を貸し、就職がかなって翌月の給料で返済があったほか、生活保護受給までのつなぎ資金として2件を貸与した。
 市内に住むA子さん(39)は3人の子を連れて離婚後、パート収入と両親の援助で暮らしていたが、昨年、仕事を失った。母親が入院して家族の援助もなくなり途方に暮れていた。ついには料金未払いで水道を止められた。
 切羽詰まり市役所窓口に相談したところ、緊急援護資金を紹介され、生活保護を受けるまでのつなぎ資金として7000円を借りた。「その足で水道料金を払い、家に帰って蛇口をひねると水が出た。子どもたちはわーっと声を上げて喜び、私もうれしくて涙が出た」と話す。当時Aさんは3日間、ほとんど食べていない状態だったという。Aさんは通院中だが、体調が安定したら職探しを始めるつもりだ。「困っている家庭はほかにもあるかもしれない。ほかの市町村でも同様な制度ができればいいと思う」と話した。
(島洋子)


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