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高山 史上初ダブルグランドスラム達成!

 ロープでムタ(下)の首を絞め上げる高山=両国国技館
 ロープでムタ(下)の首を絞め上げる高山=両国国技館

 「全日本、3冠ヘビー級選手権」(14日、両国国技館)

 ダブルグランドスラム達成!!“帝王”高山善廣(42)=フリー=が、武藤敬司(46)の“化身”グレート・ムタを撃破してV2防衛を阻止し、自身初の3冠ヘビー級王座を奪取。日本のプロレス史上初めてメジャー3団体(新日本、ノア、全日本)のヘビー級シングル&タッグ王座の完全制覇を達成した。04年に脳梗塞(こうそく)で倒れ、リハビリ生活を経てたどり着いた復帰後初のタイトル戦をものにし、高山は名実ともに完全復活を満天下に知らしめた。

  ◇  ◇

 追いつめられたムタの毒霧を両手でブロック。高山は間髪入れずにエベレストジャーマンを発射。大きな放物線が栄光への懸け橋となった。

 ムタの世界観を粉砕した。高山は凶器乱打で反撃。ムタのマスクがはがれ、大流血に追い込むことでペイントもはがした。素顔をさらしたムタは敵ではなかった。

 シングルのメジャー制覇は昨年、佐々木健介が達成したが、タッグを含む完全制覇は史上初。リング上で「オレが新3冠チャンピオン高山だ。もっと全日本を面白くするんでよろしく。ノーフィアー!!」と絶叫した。

 02-03年はノア、新日本をまたにかけ、PRIDEではドン・フライとの壮絶な打撃戦で衝撃を与えた。芸能活動でもメディアに露出し、03年プロレス大賞MVPを受賞。まさに「イケイケだった。サーフィンで波に乗っている感じ」という人生の絶頂期にあったが、04年8月、新日本・大阪大会の試合後に脳梗塞で倒れた。天国から地獄に突き落とされた。

 一命を取り留め、リハビリに努めた。酒を断ち、魚と野菜中心の食生活に変えて06年7月に復帰。盟友の存在も大きい。気の合う鈴木みのると巡業をともにした。高山は「勉強になる。感謝しています」と語った。

 一夜明けて15日は休む間もなく広島に飛び、猪木率いるIGFで“暴走王”小川直也とタッグ戦ながら夢の初激突。全日本の春の祭典「チャンピオン・カーニバル」(4・5後楽園開幕)出場も明言し、決勝で鈴木との盟友対決を熱望した。新王者として「出てくるハエをたたき落とすだけ」と公約。復帰後初めてのビールをコップ1杯飲んだ。“帝王”が完全復活した。

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