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韓国のディーゼル車市場、崩壊の危機(上)

燃料の高税率で販売伸び悩み

 軽油とガソリンの価格差がほとんどなくなり、ディーゼル車の販売が減り続けている。ディーゼル車は新技術の開発で汚染物質排出が減り、現在は環境対策車として位置づけられている。このため、欧米や日本では政府の支援により市場が拡大しているが、韓国では軽油にかかる高い税金がネックとなり、ディーゼル車市場が崩壊の危機に直面している。

◆ガソリンに迫る軽油価格

 韓国自動車工業協会によると、昨年のディーゼル仕様の乗用車登録台数は17万6000台で、前年の24万1000台に比べ27%減少した。ディーゼル車が減った分、ガソリン車の登録が急増した。ガソリン車の販売台数は景気低迷にもかかわらず、昨年は67万8000台を数え、前年(59万1000台)を14%上回った。

 ディーゼル車が没落した最大の原因は軽油価格の上昇だ。軽油の平均価格は先月、1リットル当たり1305ウォン(約85円)となり、ガソリンの1352ウォン(約88円)の97%の水準にまで上昇した。2004年にガソリン価格の65%にすぎなかった軽油価格が5年間でガソリン価格並みに上昇したことになる。軽油価格の45%は税金だ。その上、景気悪化でレジャー仕様の乗用車需要が落ち込んだこともディーゼル車不人気の原因だ。また、韓国のディーゼル仕様車がガソリン仕様車に比べ、中型車クラスで250万ウォン(約16万円)高い点も背景にある。

 韓国政府は07年の第2次エネルギー税制見直しで、軽油価格をガソリン価格の85%に調整すると発表した。これを信じてディーゼル車を購入した消費者、生産計画を組んだメーカーは政府に怒りを隠せずにいる。07年にディーゼル車を購入した自営業のイム・ビョンホさん(41)は「政府の発表を信じ、割高なディーゼル車を買った。税金を引き下げるべきだ」と話した。大企業に勤める男性(33)も「無責任な発表でディーゼル車を買わせておいて、(軽油の)価格が上昇しても知らんぷりで税金だけ持っていく政府は恥知らずの詐欺師だ」と不満をあらわにした。

チャン・サンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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