2009年3月13日

時々、首脳陣や関係者の子供が試合中ベンチに入っていることがあります。
そんな時は「絶対に汚い言葉を使わない」というのが暗黙
の了解。
試合の展開によってはだんだん頭に血が上って、うっかり乱暴な言葉を使ってしまいがちなので、選手はかなり気を遣います。
万が一ぽろっと何か言ってしまったときは、
「ごめんごめん、今のなし。こういう言葉は使っちゃいけないよね？」と自らを反面教師として、子供が真似をしないように釘を刺すのです。

で、今日。ピッチングコーチのラリー（ロスチャイルド）が、退場になってしまいました。

主審の判定がふらついていたのが、そもそもの始まり。
イライラし始めた誰かが、ベンチの奥で主審に向かって、
「Be Consisted!（ストライクゾーンを一定させろ！）」と叫んだところ、ベンチの一番前に立っていたラリーが、
「Come on!（おい、頼むぜ！）」とその抗議に呼応したのです。
すると、ちょうどその声で振り向いた主審が、ラリーに向かって「退場！」。

あまりの気の毒さと間の悪さ、主審に向かって叫んだ真犯人のミルトン（ブラッドリー・外野手）の、（俺じゃないよ）という必死の「しらんぷり」に、ベンチの選手は笑いをかみ殺すのが大変でした。

さて、Come on!は、「おいで」ですが、日常会話では、
「いっちょ来いや〜」と相手をけしかける時や、
自分が困った時には「勘弁してよ〜」びっくりしたときの「まじー？」など、さまざまなニュアンスで使われます。
いずれにしても、主審が「カチン」と来ただけ、という本日の
退場劇。
さらに間の悪いことに、今日ラリーは１０歳くらいの息子さんを連れてベンチ入りしていたのです。
（パパはどんな悪いことを言ったの？）と、不思議そうな顔をしながら、お子さんはわけのわからないまま、お父さんと一緒に退場して行きました・・・。

アリゾナ州メサにて　田口壮　

2009年3月12日

昨日はキャンプ初の休日。おとといの夜出発の一泊コースで、
グランドキャニオンに行ってきました。突然思い立ったため、
ばたばた荷物をまとめて車に乗り込む僕ら５人はまるで夜逃げ家族。
３０度近い気温のメサから、夜中過ぎにグランドキャニオンに着いたときには零下という気温差で、往復１１時間ほどの、慌しい旅でした。
しかし、父、母、そして寛が、初キャニオンで「うわっ」と息を呑んだ、その顔を見られたのが何よりものお土産。僕を疲れさせまいと、ほとんどの運転を買って出てくれたヨメに感謝です。

ところで今日は、ＷＢＣ日本代表とのエキシビションゲーム。
僕にとっては（ジャパンが勝って、勢いをつけてほしい）（いや、
うちが勝たなアカンやろ）という、大変やりづらい試合です。

久しぶりに目の当たりにする日本野球は、緻密で正確で、本当に素晴らしい。
しかしそんなにきっちりしたものをかつて見たことがないカブスベンチは、
「何であの配球なんだ」「なんであそこでこうなるんだ」と大騒ぎ。
顔中にクエスチョンマークを貼り付けたようなミカ（ホフパウワー・内野手）など、僕の横にべったり陣取って、日本野球のにわか勉強です。
その後２ベースを打って「やった！ソウが言ったとおりだー」とはしゃいでいましたが、日本野球はそんなに底の浅いもんとちゃうで〜。

たくさんの選手、関係者と試合前、試合後に挨拶をして、
最後はベンチから出て行くすべての選手を見送って、声をかけました。
久しぶりにイチローとも再会。
「ずいぶん長いこと話してましたね」と周りに言われましたが、
バカ話だけで盛り上がった立ち話です。彼がいかにＷＢＣを大切に思い、楽しんでいるかがその生き生きした表情から伝わってきて、なんだかこっちまで嬉しくなりました。
目がいたずらっぽく笑っている、永遠の野球小僧のイチローがそこにいて、時間がふと、１８年前に戻ったような、そんなひととき。

ジャパン、がんばれ。俺も踏ん張る。

アリゾナ州メサにて　田口壮　

2009年3月11日

カブスはキャンプ初の休日。田口選手のメールも本日はオフとさせていただきます。

アリゾナ州メサにて　田口壮　

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