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皇学館 高1自殺 同級生数人「いじめ見た」

遺書 別の被害生徒名も

 三重県伊勢市の私立皇学館高校の1年男子生徒(16)がいじめを受けていたとする遺書を残して自殺した問題で、同級生数人が同校の調査に対し、「(亡くなった)男子生徒が教室でいじめに遭っているのを見た」などと話していることが9日、わかった。大島謙校長と中村貴史教頭は同日夜、男子生徒の自宅を訪れ、いじめのあったことを認めたうえで、「死を防げず、申し訳ない」と両親に謝罪した。一方、男子生徒の父親は、遺書にいじめを受けていた別の同級生の名前も書かれていたことを明らかにした。

 同校は7日と9日、同級生39人全員に対し、「いじめについて知っていることはないか」などと聞き取り調査を実施。さらに9日は、対象を全校生徒に広げて、各担任が聞き取りをした。この結果、同級生数人が、男子生徒に対するいじめの様子を具体的に証言したという。

 ただ、聞き取った内容について、同校は「調査中のうえ、内容が外部に出ると、生徒が萎縮してしまうので、現段階では明らかにできない」としている。

 また、今回の調査については、「いじめにかかわった生徒を特定するためのものではない」と説明、自分がいじめにかかわったかどうかなどは聞いていないという。同校では今後、証言の細部をさらに詰めたうえ、男子生徒の両親や保護者会に伝えるとしている。

 一方、父親によると、遺書には同様にいじめを受けていたとして、他の同級生の名前が書かれていた。遺書は実名を挙げた7人に対し、男子生徒自身への償いを求めると同時に、名前を書いた同級生からも話を聞いたうえで、7人に謝罪させるよう訴えているという。

 父親は「謝罪の言葉を聞いて誠意は感じた。いじめたとする7人との面談の実施についても今後、話し合っていきたい。真相がすべて明らかになるまで納得できない」と話している。


2009年3月10日  読売新聞)
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