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G20財務相会議 問われる協調への真剣度

 世界的な金融・経済危機が深刻さを増す中で、日米欧に中国など新興国を加えた二十カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が、ロンドン郊外で開幕。危機打開へ向け、具体的な効果が期待できる国際協調をどう図るか、各国の危機感と真剣度が問われる。

 今回の会議は、四月に予定されている二回目のG20首脳会合(金融サミット)の準備の場である。世界不況を招いた金融危機は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)などが再び巨額の損失を出し、米政府の追加支援を受けるという底の見えない状況が続く。有効な対策が急務だ。金融サミットへつなぐ会議の役目は重い。

 昨年十一月に行われた一回目の金融サミットの経緯などを踏まえ、景気対策や、金融機関の国際的監視体制の在り方などについて話し合われる予定だ。危機打開へあらゆる措置を講じることや、協調の重要性など総論での認識は一致するものの、各論になると思惑の違いがあり、難航も予想される。

 例えば主要議題の一つである金融規制改革。今回の危機の根本原因が国境を越えて活動する金融機関や、ヘッジファンドなどに対する不十分な規制や監督体制にあったと認め、強化する方向では一致する。

 しかし、その手だてをめぐっては温度差がある。日本や欧州は規制強化に積極的なのに対し、米国はオバマ政権になって規制に前向きに転じたものの、ヘッジファンド規制などについては厳しい監督に慎重な姿勢をうかがわせる。

 景気対策では、財政出動を含めた景気刺激策を各国が実施する必要性を確認するが、米国は国内総生産(GDP)の2%に相当する財政出動を二〇〇九年と一〇年に実施するよう各国に促す方針だ。財政悪化の懸念から追加措置に消極的な欧州や、新興国の反発も予想される。

 グローバル化が進む中で、主要先進国だけでの問題解決は困難となってきた。先進国と経済的な影響力を増す新興国が集い、話し合うG20の意義は一層高まろう。問題は、いかに思惑を離れ目的に向かって力を合わせられるかだ。形式的な協調にとどまっている時ではない。

 金融サミットに向けて日本こそリード役を担うべきだ。先のG7では中川昭一前財務相が失態を演じひんしゅくを買った。国際的な信頼回復のためにも、与謝野馨財務相は存在感を存分に示してもらいたい。


温室ガス削減 ポスト京都への議論急げ

 京都議定書に定めのない二〇一三年以降の温室効果ガスの削減レベルについて、主要先進国間の負担を公平にするには、日本や米国は二〇年までに一九九〇年比で24%の削減が求められるとの試算を欧州連合(EU)欧州委員会がまとめた。

 日本政府が想定する選択肢のうち、最も厳しい25%にほぼ等しい数値である。麻生太郎首相は今年六月までに中期目標を公表する考えを表明したが、今後の議論にも影響を与えよう。

 EUは九〇年比30%の削減を明言している。今回の試算は、その条件とした他の先進国の「同程度の努力」の具体的な内容を示したものだ。また先進国の削減目標設定について、各国の削減努力の公平化を図ることを新たに提案。旧ソ連崩壊後に削減努力なしに排出量が減ったロシアは、さらに38%の大幅な削減が必要とも試算した。

 日本にとっても厳しい努力を迫る内容だ。わが国の温室効果ガス排出量は京都議定書の基準年となる九〇年以降、増加傾向が続いており、〇七年の最新データでは基準年比8・7%(速報値)増えている。EU試算の示した24%まで減らすには、EU以上の努力が必要になる。

 新たな国際的温暖化対策の枠組み交渉は今年末を合意期限としている。鍵を握るのは京都議定書を大きく上回る先進国の目標と、発展途上国の新たな排出抑制の責務が盛り込まれるかどうかだ。先進国は各国間の削減目標や負担の分け方について議論を進めなければならないが、温暖化政策を大きく転換させようとしている米オバマ政権の誕生で状況は変わった。先行するEUと米国主導になれば日本は埋没しかねない。

 環境税など大胆な政策の導入なども視野に、議論を急がねばならない。

(2009年3月14日掲載)
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