大阪・ミナミの道頓堀川(大阪市中央区道頓堀)の川底で11日午前、ケンタッキー・フライド・チキンの「カーネル・サンダース人形」の下半身と右手部分(強化プラスチック製)が相次いで見つかった。85年に阪神タイガースがリーグ優勝した際にファンが人形を川に投げ込んでから、阪神は一度も日本一になれず、「カーネル・サンダースの呪い」とも言われた因縁の人形。10日の上半身に続く発見で、阪神ファンらは「今年こそ日本一や」と沸き立った。
この日は午前8時50分ごろから、前日の発見場所周辺(水深約1.2メートル)に河川工事のダイバーが潜って捜索を始めた。すぐそばの新戎橋の上からは、多数の報道陣や通行人が見守った。
数分後、右手のひら(長さ約20センチ)が見つかった。その約10分後、ダイバーの水中マイクの声が作業船上のスピーカーから「下半身、間違いない」との声が聞こえた。報道陣や作業員から歓声があがり、間もなく、下半身(同約70センチ)も船上に引き上げられた。
ただ、両足首、左手、眼鏡部分などは発見できず、同9時40分で捜索を打ち切った。捜索した業者によると、水中は視界がなく、今後、残りの部分が見つかる可能性はほとんどないという。
ダイバーの上村健二さん(62)も阪神ファン。「10日に上半身を見つけた時点で、下半身も見つけなければと思った。泥の中で何かが手に当たり、探っていくと下半身と分かった。これを機に優勝してほしい」と笑顔を見せた。【平野光芳】
日本ケンタッキー・フライド・チキン広報室は「甲子園球場内の店舗に人形を置けるよう前向きに考えたい」としている。
阪神は11日午後1時から、神戸市のスカイマークスタジアムで楽天とのオープン戦。午前中の練習で話題に上ったのはやはり「カーネル・サンダース人形発見」のニュースだった。報道陣から「これでカーネル・サンダースの呪いは解けるか」と質問された真弓明信監督は「もう(日本一になれないのを)そのせいにできんな」と笑わせた上で、「これだけ話題になるなら(人形を)甲子園に持ってこなあかんやろうな」と話した。【和田崇】
毎日新聞 2009年3月11日 11時23分(最終更新 3月11日 13時16分)