10日夕、大阪・ミナミの道頓堀川(大阪市中央区道頓堀2)の川底で、市の遊歩道整備工事の関連作業で潜っていたダイバーが、ケンタッキー・フライド・チキンのカーネル・サンダース人形の「上半身」(体長約1メートル)を見つけた。85年10月にプロ野球の阪神タイガースがリーグ優勝した際、興奮したファンらが川に投げ込んだまま行方不明となっていた人形とみられる。
当時、21年ぶりの優勝に酔ったファンが、主砲・ランディ・バース選手に似ていたことから、当時の道頓堀店前に置いてあった人形を胴上げし、今回の発見現場の東約200メートルの戎(えびす)橋から勢い余って川に落とした。その後、ダイバーが捜索したが見つからずにいた。阪神は86年以降は日本一になれず、ファンの間で「カーネル・サンダースの呪い」と言われた。
人形は午後4時ごろ、河川工事で不発弾調査中のダイバーが見つけた。台船のクレーンで引き揚げると、作業員からは「死体やないか」との声があがったが、すぐに阪神ファンの現場監督らが「カーネルや」と叫んだ。通行人らも「オーッ」とどよめいたという。
人形は汚泥で激しく汚れている。河川管理者の大阪市が保管し、日本ケンタッキー・フライド・チキン社と取り扱いを協議する。11日朝も川底での作業が続くため「下半身」が見つかれば大阪市が保管する。【田中龍士】
毎日新聞 2009年3月10日 21時25分(最終更新 3月10日 23時52分)