東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策として海上自衛隊の護衛艦の派遣が決まった13日、県内では、賛否両論の声が聞かれた。
14日には護衛艦2隻が広島・呉基地から出発する。空自小松基地からは隊員がイラクに派遣され、先月、任務を終えたばかり。小松基地友好団体連絡協議会代表世話人の辻政晴さん(65)=小松市=は「日本は海洋国家であり、危険な航路を保護するのは当然。危険を顧みずに国のために活動する隊員に誇りを感じる」と話した。
政府は外国籍船にも保護対象を広げる海賊対処法案も同時に閣議決定した。辻さんは「放っておいていいのかという問題。個人的に集団的自衛権は認められていると思う」と言う。
一方で「9条の会石川医療者の会」の白崎良明さん(66)=金沢市=は「憲法9条の解釈を曲げている。許されない」と憤る。「ソマリアでは、日本など豊かな国の漁業に押されて生計が成り立たなくなった漁民が海賊になっていると聞いた。問題の背景が何なのか知られないままの派遣は納得できない」と話し、「海賊の取り締まり行為は自衛隊ではなく警察組織がやるべきでは」と注文した。【柿沼秀行、澤本麻里子】
毎日新聞 2009年3月14日 地方版