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  2009年3月14日記載
  クレジットカード嫌いの救世主、ETCパーソナルカード誕生
 

高速道路割引の適用を受けるためのETC搭載が必須だがETCは後払い方式であるため、原則としてクレジットカードが必要だ。ところがクレジットカードが苦手な人たちも相当数いることでETC導入をためらう人も多い。

そこで登場したのがETCパーソナルカード。NEXCO東日本、中日本、西日本と、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6社が共同発行するカードで、ETC利用金額を月次単位で申し込み時に指定した口座から引き落とされるETC専用である。イメージとしてはデビットカードに似ているが、利用した直後に口座引き落としされるのと違い、あくまで月末一括引き落としであるのがミソである。そういう意味ではクレジットカードと呼ぶこともできる。

では通常のクレジットカードと何が違うのかというと、入会手続きにおいてカード会社からの審査を受ける必要がないのがポイントである。例えば、年金生活者の方が新たにETC車載器をつけようと思ったとき、同時申し込みが必要とするクレジットカード申し込みにあたって、安定的な収入額が不足することによりクレジット審査が通らないなどの問題を解決してくれるのである。

では、審査なしで発行するためのリスク管理はどうするのか。そこで考えられ出てきたのがデポジット機能である。通常後払い方式というのはツケ買いだから後日まとめて回収する必要があるのだが、ツケは一定の信用がないと最悪回収不能という債権リスクが発生する。そのリスクを予め防ぐために利用者から前もって保証金を前納してもらうということで信用をつけるというシステムである。ちなみにデポジット額は利用者の利用頻度事前申告金額により変わるが最低でも40000円必要とのこと。

最低額の40000円分のデポジットを前納しETCパーソナルカードを利用する場合、一ヶ月あたり利用可能金額は40000円の80%、32000円まで利用可能となる。但し頻繁に利用金額が限度額ギリギリだったり超過したりすると追加デポジットが求められ、仮にそれを拒否したり、口座から引き落としできなかった月があると解約されるというシステムによりリスク回避を図っている。

今月末まで新規にETC車載器を導入する場合、助成金を利用すると安価で取り付けることができる。また所定のNEXCOで設置依頼すると車載器は無料で調達(取り付け工賃は有償)できる代わりにETCパーソナルカード加入が必須となっている。通常の助成金制度を利用するのも良いが、初めからETCパーソナルカードを利用するのではあれば、最寄のカーショップよりNEXCO指定場所で申し込みしたほうがお得である。(デポジット額である最低40000円と年会費1200円を払い込む必要がある)。

ただ、よくよく考えてみると、そこまでして後払い方式に拘る必要がどこにあるのかと思える。最初からプリペイド式ETCカードもあっても良いと思うが、おそらく何かシステム的な意味で後払いをどうしてもさせたいということなのかもしれない。

現在ETC普及率は高速道路利用車両全体では既に70%を超えているが全登録車両に対する普及率は30%にも満たない。高速道路割引制度適用で一気に増加するだろうが、普段高速道路を利用しない人たちの高速道路デビュー組も数多くいるだろう。混雑も心配だがそれ以上に道路上の安全面で一抹不安がよぎる。

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