昨年11月に73歳で亡くなったジャーナリスト・筑紫哲也さんの追悼シンポジウムが26日、東京の早稲田大学で開かれた。会場の大隈講堂には約千人の参加者が詰めかけた。
「『筑紫哲也』考」「変容するメディアとジャーナリズムの使命」をテーマに、田勢康弘・早大教授、姜尚中・東大教授、野村彰男・朝日新聞ジャーナリスト学校長らが討論。
野村学校長は「筑紫さんは派閥取材にのめり込むような政治記者ではなかった。新聞、雑誌、テレビと一つの枠には収まらず、書き続けることにもこだわった」としのんだ。ニューヨークからネット中継で参加した金平茂紀・TBSアメリカ総局長は「筑紫さんは政治記者をやりながら、日本の政治報道にイヤなものを感じていたと思う。僕も、メディアはもっと権力の醜さをチェックする役割を担うべきだと思う」と語った。