南方網など中国メディアは13日、「中国に朝鮮(北朝鮮)を防衛する義務はない」とする寄稿を掲載した。インターネットの掲示板には、賛否両論が続々と寄せられた。北朝鮮は国際社会の警告を無視して、「人工衛星ロケット」を発射する姿勢を崩していない。中国政府も、発射の自粛を求める姿勢を明らかにしている。
寄稿の作者は「胡参謀」のペンネーム。元職業軍人で軍事学院を卒業したと称している。朝鮮戦争休戦時の「朝鮮半島軍事停戦協定」をベースにその後の経緯を紹介。「停戦協定にもとづけば、わが国に朝鮮(北朝鮮)の共同防衛の義務はない」、「中国にとって朝鮮の位置づけは、かつての『血で築かれた盟友』から、通常の『友人』に低下している」などと論じた。
中国は朝鮮半島の平和を求めており、北朝鮮に対して行うべきなのは「道義上の支持、外交上の努力、友情にもとづく賛助」であり、「行き先不明の戦争にわれわれを引きずりこもうとしても、われわれには応じられないことだ」と論じた。同文章は2000文字以上で、かなりの長文だ。
中国では政治的な意見の表明を当局が監視している。同文章の内容は、共産党などが容認する範囲内と考えてよい。
同文章は多くのニュースサイトが転載した。付設した掲示板に寄せられた読者の意見は、「その通り」、「理屈が通っている」、「だれが戦争などしたいものか。他人ごとにかまっている余裕などない」などと支持するものがある一方、「唇滅んで歯寒しのことわざもある。この意見は無茶苦茶だ」、「1961年締結の中朝友好協力相互条約によれば、共同防衛の義務がある。朝鮮を失えば、資源豊富な東北地方も奪われる恐れがある」などの反対意見もある。反対意見の方がやや多い。
また「朝鮮が中国の一部になるなら、防衛してやってもよい」、「キーポイントは、中国に(米国に対抗して)防衛する能力がないことだ」などとする意見もある。(編集担当:如月隼人)
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