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【イチから分かる】国策捜査 公的資金注入で「登場」 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:民主・小沢一郎代表秘書逮捕
公的資金投入の批判をかわし、金融機関処理や不良債権処理を推進するためには、「政府主導の国策による経営陣らの刑事責任追及が露払い的役割として、必要になった」との指摘がマスコミ論調などに出た。
こうして、「国策捜査」という用語がこの時期、初めてマスコミに登場したわけだ。
このマスコミ造語について、当時の検察幹部が「検察庁も国の一機関。そういう意味では、捜査はすべてが『国策捜査』だ」と言い切ったのを今でも覚えている。
この後、旧日本長期信用銀行の粉飾決算事件でも、金融再生法などによる破綻処理のスキームとして、やはり「国策捜査」が広く指摘された。
「国策捜査」がさらに汎用化したのは、鈴木宗男衆院議員と佐藤優・外務省元主任分析官(起訴休職)をめぐる同省関連の一連の事件だった。
佐藤氏は公判で、「特定の政治的ターゲットの中に何としても犯罪を見いだし、作り出すことだ」と「国策捜査」を自ら定義。「国策捜査は大きな必然性の中から生まれる。日本の政官の関係を変えようと象徴的事件を作り出して断罪し、時代のけじめをつけるのが目的だった。検察は職務を忠実に遂行している」と主張した。
「国策捜査」はこの後も、ライブドア事件や耐震偽装事件などでも独り歩きして、捜査批判の“常套(じょうとう)句”のように使われるようになっていった。