銀行業界、格付け会社フィッチの予測に猛反発
格付け会社のフィッチ・レーティングスが、韓国の銀行の自己資本が来年末までに42兆ウォン(約2兆7800億円)減少するとの分析を明らかにしたことについて、銀行業界が法的対応の動きを見せるなど反発している。
全国銀行連合会の辛東奎(シン・ドンギュ)会長は13日、緊急記者会見を開き、「フィッチの発表はデリケートな時期に銀行の対外信用度に影響を与える懸念がある」として、訴訟など法的対応を積極的に検討していく考えを示した。
辛会長は「フィッチが実施したストレステスト(特定の状況発生時に金融システムが受ける潜在的損失を測定するテスト)の前提は今後の経済状況の変化によっていくらでも変わり得るにもかかわらず、それをいかにも信ぴょう性がある資料のように公表することは、信用ある国際的な格付け会社の取るべき行動ではない」と批判。その上で、「フィッチは一方的で不正確な評価により、韓国の銀行の信用度がダメージを受けた場合、その責任を負うべきだ」と指摘した。
金融委員会の陳棟洙(チン・ドンス)会長も同日、金融機関の健全性強化プランを発表した席上、「(フィッチの報告書は)来年まで韓国の金融機関が全く資本増強を行わないという不正確な仮定に基づいて計算したものだ」と指摘した。
これに先立ち、フィッチは12日、ウェブサイト上で公表した「韓国の銀行に対するストレステスト」と題する特別リポートで、韓国の銀行の有形自己資本(TCE)比率が昨年6月末の6.4%から来年末には4%に低下すると予測した。有形自己資本比率とは普通株を中心とした自己資本を総資産で割ったもので、銀行の健全性を判断する最も厳格な指標とされる。
フィッチ関係者は「韓国のリポートに先立ち、香港、ベトナムなどの銀行に対するストレステストのリポートも公表した。テスト結果は韓国の銀行が最も悪いわけではなく、懸念されるという程度なのにもかかわらず、銀行業界は過剰反応を示しているようだ」と冷静に受け止めている。
■ストレステストとは
金融システムストレステストとも呼ばれ、例外的に発生し得る事件で金融システムが受け得る潜在的損失を測定する方法を指す。経済成長率、企業・家庭の不良債権比率などの見通しを考慮し、今後銀行で不良債権がどれだけ生じるか、銀行の資本健全性がどんな影響を受けるかを仮想的にチェックする。
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者
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