|
|
きょうのコラム「時鐘」 2009年3月14日
先日の石川県公立高校入試の国語現代文に、人類学者・川田順造さんの「時代と学問」がでた。偶然、先の富大二次入試の国語現代文にも川田さんの「母の声、川の匂い」があった
隣県だが、高校と大学で同じ人の文章が問題に使われるのは珍しい。もちろん、難易度は中学生と高校生相手では違うから、同じ人の文章が入試問題になってもかまわないのだが、出題者に多少の戸惑いはあったろう。文章を理解する力が違うと思うからである 入試に使われる作家や評論家の文章には時代の流行がある。昭和30、40年代は小林秀雄や亀井勝一郎氏などの文章がたびたび登場したのも懐かしい。夏目漱石などは今も昔も不動で、現在でもかなり登場するという 最近は加藤周一、河合隼雄、養老孟司氏らが人気だ。ことしの大学入試センター試験には加賀乙彦さんの小説「雨の庭」があった。北國文華で「加賀の賢者・近代日本を支えた人々」を連載中の作家だ 入試問題で出会うことでもなければ一生縁のない作家もいる。十五の春に出会った「川田順造」の名前は受験生にとって生涯、記憶に残ることだろう。 |