室蘭市は13日、市議会民生常任委員会に総務省の公立病院改革ガイドラインに基づいた「市立室蘭総合病院経営改革プラン」を報告した。平成23年度までの経常収支比率の100%以上達成、24年度までに約9億円の不良債務解消を掲げている。
総務省がプラン策定で求める「役割の明確化」「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態見直し」を視点に、同病院中期経営計画(17―21年度)の経営改善方向を引き継ぎ策定した。計画期間は21―24年度の4年間とし、各年度の収支計画を盛った。
プランの基本目標は(1)一般会計からの繰り出し後、経常収支比率を23年度までに100%以上とする(2)8億8,611万1,000円(19年度決算)の不良債務を24年度までに解消する―と設定した。
目標達成に向けた取り組みは5点。事業規模(病床数)は現行通り。経営効率化は、機動的でタイムリーな人材確保を図った上での「民間的経営手法の導入」、診療材料一元管理やDPC(包括的診療報酬制度)の導入など「経費の削減・抑制対策」、薬剤管理や栄養指導の算定数拡大、リハビリ機能の大幅増強による収益確保など「収入増加・確保対策」を挙げている。
これら収益の確保と支出の縮減策を示す一方、「単純に縮減を進めるのみでは医療と収益を確保できない場合もある」とし、「公立病院として維持、提供し続けなければならない不採算な医療」について一般会計からの経費負担を求めている。
再編・ネットワーク化は「室蘭・登別医療圏唯一の公立病院であることを踏まえた検討」にとどめ、経営形態の見直しは、病院事業管理者(病院長)を置いた地方公営企業法全部適用の下で経営改善に取り組み始めたばかりであることから「当面は効果を見極める」としている。
取り組みを点検・評価する委員会を21年度中に設置。毎年度の決算数値をHP、市広報紙で公表する。 (竹浪恒一郎)
|