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【静岡】

浜松地域の歯科医療充実を 医師会が信頼関係構築へ初のシンポ

2009年3月14日

開業医と拠点病院の連携強化を 

開業医に意見を発するパネリストの病院医師ら(向こう側)=浜松市中区で

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 2009年度からより大きな新組織となる浜松市歯科医師会は、地域の歯科医療を充実させようと、会員の開業医(診療所)と拠点病院との連携強化を目指している。12日夜、初の「病診連携」シンポジウムを開き、信頼関係を深めていくことを確認した。 (後藤隆行)

 旧浜松地域をカバーしてきた浜松市歯科医師会は4月、市内4地区の歯科医師会と合併し、県内屈指の規模となる。これまでは役員が病院担当医と定期的に懇談していたが、今回は多くの会員が参加できるシンポを企画。旧市町村を含む7つの拠点病院からは9人の医師が出席した。

 「手に負えない疾患を病院に紹介しているが、うまく機能しているだろうか」。柳川忠広会長はかねて抱えた思いをこめてこうあいさつし、会員開業医ら約100人のアンケート結果を報告した。

 病院への紹介例と希望機能を尋ねた設問(複数回答)では、「抜歯などの小手術」がいずれも最多で、2番目が「腫瘍(しゅよう)」。興味深いのが「救急処置」で、実際の紹介例は7番目ながら、希望例としては3番目に多い。

 紹介先で最も多いのは浜松医科大付属病院。ただ、歯科口腔(こうくう)外科の橋本賢二教授は「法人化に伴い、宿直は手術日とその翌日のみ」と厳しい現状を報告した。日曜や祝日の救急は呼び出し対応となっているという。

 「信頼関係がないとうまく進まない」と話したのは、浜松赤十字病院歯科口腔外科の山本庸介部長。治療方針を押しつけるような紹介の仕方があるといい、「割れている歯はくっつけられない」との表現で患者側の過度な期待も指摘した。

 開業医のアンケート回答からは、互いの現場を体験研修する提案が出ていた。少ない担当医で切り盛りする拠点病院が多く、「廃科になれば行き場を失う患者が出る」との不安も寄せられた。

 

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