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【神奈川】薄れる時間短縮効果 市の『119番トリアージ』3カ月2009年3月14日 横浜市では「一一九番受信時トリアージ」制度の開始三カ月で、救急隊の現場到着時間が短縮される一方、病院到着時間は逆に増加していたことが十三日、分かった。搬送先探しに時間がかかったことなどが原因で、制度導入による時間短縮効果が薄れているかたちだ。 (中山高志) 同日の市議会予算特別委員会で、加納重雄氏(公明)の質問に市側が答弁した。 市安全管理局によると、全国に先駆け制度を導入した昨年十月以降三カ月で、緊急度が高い患者の救急隊現場到着時間は平均で五分九秒。導入前(二〇〇七年)の六分に比べ五十一秒短縮された。 ところが、現場から病院に着く時間を比べると、導入前の二十四分四十二秒に比べ、導入後は二十五分三十秒と四十八秒増加した。病院到着時間の増加はここ数年続いており、救急隊がたらい回しを受けるなどして病院探しに手間取ることが主因だという。 同委員会で金田孝之副市長は「重要な問題であり、医療体制全体の問題として考える必要がある」と答弁した。 「一一九番受信時トリアージ」は、救急出動通報を識別し、症状が重い患者により手厚い救急体制を差し向けることが目的。 ◆市救命士養成所 所長辞任の意向 前市大付病院長事務用品などの架空発注が判明した横浜市立大学付属市民総合医療センター(南区)の前病院長(67)が、市救急救命士養成所(同区)所長を辞任する意向を市に伝えていたことが分かった。 市安全管理局によると、前病院長は市立大学医学部助教授時代の一九九一年、養成所設立と同時に所長に就任。医学部教授退職後の二〇〇七年以降も嘱託として所長を続けた。辞任理由は「一身上の都合」だという。 (中山高志)
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