看護、救急、精神科関係者からヒアリング―文科省検討会
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文部科学省は3月13日、「医学教育カリキュラム検討会」（座長＝荒川正昭新潟県健康づくり・スポーツ医科学センター長）の第4回会合を開き、東大医学部附属病院看護部の榮木実枝部長、日本救急医学会救急医学領域教育研修委員会の坂本哲也委員長、日本精神神経学会の小島卓也理事長の3人からヒアリングを行った。
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榮木部長は、看護職から見た医学教育の不明点として、▽診察、採血、静脈穿刺、カテーテルの挿入など、技術の演習をしているのか▽実習で指導教官が何をどのように学ばせているのか▽卒業時点の技術の到達度評価があるのか―などを挙げた。
また、医学生に看護実習を導入した例を紹介。筑波大では医師以外の医療職の視点で患者を理解することを目的として、▽日勤、準夜勤、深夜勤を経験しながら、引き継ぎ、排泄解除、移送、配膳、食事介助、カンファレンス、医師との情報交換、環境整備、シーツ交換などを体験▽学生7、8人のグループで、チーム医療、患者のケアをテーマに1週間の討論を実施―などの実習を行った。
佐賀大では、入院患者の生活と看護師の役割を知ることを目的として、▽午後4時半―9時の間、看護師と共に行動▽患者移送技術のデモンストレーション―などの実習を行った。
このほか、信州大、千葉大、北大、熊本大、鹿児島大などでも看護実習を導入している。実習を経験した医学生からは「チーム医療が実感できた」などの声が上がったという。
坂本委員長は、「救急科専門医のみですべての救急需要を満たすことは困難。救急診療にはすべての医師が必要になるので、最低限の救急処置はできるようになるべきだ」との考えを示し、同委員会の卒後医師臨床研修における必修救急研修カリキュラムを紹介した。
カリキュラムでは、▽生命や機能的予後にかかわる、緊急を要する病態や疾病、外傷に対する適切な診断・初期治療能力を身に付ける▽救急医療システムを理解する▽災害医療の基本を理解する―の3点を「一般目標」とし、▽バイタルサインが把握できる▽身体所見を迅速かつ的確にとることができる▽重症度と緊急度が判断できる▽二次救急処置（ACLS）ができる▽一次救命処置（BLS）を指導できる▽頻度の高い救急疾患・外傷の初期治療ができる▽専門医への適切なコンサルテーションができる▽大災害時の救急医療体制を理解し、自己の役割を把握できる▽救急診療に必要な検査が指示できる▽緊急性の高い異常検査所見を指摘できる―などを「行動目標」としている。
小島理事長は、精神科の卒前教育と卒後教育の一貫性を求め、卒前教育では▽心身両面からの人間理解▽精神疾患の診断、治療▽全人的態度の獲得と偏見の除去―を、卒後教育では▽全人的態度の獲得と偏見の除去▽精神科プライマリーケアーを行うのが理想とした。
更新：2009/03/13 23:18 キャリアブレイン
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