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【音楽の政治学】ヒトラーの偽善 「劣等」と呼んだ人種のレコードを隠し持つ (2/2ページ)
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ソ連軍は大戦末期、ドイツで略奪を重ねた。55点の高級絵画、9つの金時計、713の銀製品を奪った、とある将校の話は有名だ。ベジメンスキー氏はというと自らを恥じたのか、レコードを46年間も隠し続けた。だが、同氏の他界(一昨年春)に合わせ、娘が話を公にしたのだった。
このニュースは世界に衝撃を与えた。ヒトラーは自著「わが闘争」で、ロシア人の“劣等性”に言及し、「芸術の女王」である音楽と建築が「ユダヤ文化から得たものは何もない」と断じていたからだ。
ウィーン滞在時代、オペラ座にほぼ毎日通うなど音楽好きのヒトラーにとり、一流の音楽とは、どんなイデオロギーを掲げようとも手放せない“麻薬”のようなものだったのだろうか。
アレクサンドラさんは独誌に「侮辱された気分だ。スラブ人やユダヤ人数百万人が命を落としたのは、まぎれもなく、ナチスの人種差別主義的なイデオロギーによるものだからだ」と、苦々しく話している。(ベルリン 黒沢潤)
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