カーネル欲しい！カブスびっくりオファー

　大阪・道頓堀川の川底から２４年ぶりに救出されたカーネルサンダース人形を巡って日米争奪戦？　が勃発（ぼっぱつ）した。米大リーグの名門カブスが１３日、最後のワールドシリーズ制覇から１００年間遠ざかる呪縛（じゅばく）を解くため、「レンタル移籍」を検討していることが分かった。全国紙ＵＳＡトゥデー電子版によると、ケンタッキー・フライド・チキン（ＫＦＣ）総本山の米国本社社長が日本の報道を知り、カ軍オーナーに借り受けを進言する手紙を送った。

　同電子版は同社長の手紙も公開。「開幕日までに（カ軍本拠地の）リグリーフィールドに連れてこれるよう、日本の同僚に強く働き掛けているところです。『ヤギの呪（のろ）い』を解けるかは約束できませんが、悪い話ではないでしょう」。０４年にレッドソックスが８６年ぶりの世界一で「バンビーノ（ベーブ・ルースの愛称）の呪い」を解いてから、「ヤギ」は球界最古の呪いと語り継がれる。カ軍は昨年も独走で地区Ｖを飾りながらリーグ優勝を逃した。呪いを解くため、過去３季で２度も世界一リングを手にした前フィリーズ田口を獲得したといわれている。

　日本ではこの日、大阪市から所有者の日本ＫＦＣ社に人形が引き渡された。セレモニーに臨んだ渡辺正夫社長（５６）は、国内外から殺到するラブコールにうれしい悲鳴を上げる。米国本社からのオファーを明かし、国内でも大阪・通天閣など数件から獲得要望があるという。人形は今後、大阪市内の警備会社の金庫に保管され、専門家が傷み具合などを検査する。修復は最小限にとどめる方針だ。

　果たしてカーネル人形は「母国」の名門球団を救うため、メジャー移籍に踏み切るのか。「サンダース人形の呪い」に苦しんだ？　阪神ファンの待つ甲子園へ向かうのか。阪神電鉄への譲渡が有力視される中、マネーゲーム？　になればメジャーも黙っていない。

　［2009年3月14日9時41分　紙面から］