憂楽帳

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憂楽帳:ビザ申請写真

 申請書に張られた写真をじっくり見る。不正の意図があれば、ある程度、読み取れるのだそうだ。ビザを審査する某国の熟練担当官が教えてくれた。詳細は秘密だが、「大事なのは経験に基づく直感」という。

 なかなか減らない中国人の不法入国事件。数日前にも日本で脱北日本人妻の偽装家族が摘発された。韓国では偽装脱北者も見つかる。偽造旅券や偽装結婚も珍しい手口ではない。

 多くが中国東北部に住む朝鮮族だ。経済発展から取り残され、地元に仕事は少ない。「日本や韓国なら大金が稼げる」。欲望が罪の意識を薄める。

 東北部に留学していた5年前、朝鮮族からよく日本への渡航ビザの口利きを頼まれた。「堂々と審査を受けてください」。すべて断ったが、数人から聞かれた。「日本人は背広姿の写真に好感を持つというが、本当か」

 渡航経験者のノウハウが蓄積され、伝授される。審査を強化しても、手口はさらに巧妙化し、いたちごっこが続く。それは写真にも表れる。担当官の直感、ますます磨きを。【西岡省二】

毎日新聞 2009年3月14日 12時48分

3月14日ビザ申請写真
3月13日巣立ちの時
おもやい
縁起のいい墓

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