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未来へ走れ「デロリアン」 広島の男性らエコカーに改造

2009年3月13日12時53分

写真:ステンレス製のボディーが独特の光沢を放つデロリアン=広島市安芸区中野6丁目の広島国際学院大、青山写すステンレス製のボディーが独特の光沢を放つデロリアン=広島市安芸区中野6丁目の広島国際学院大、青山写す

写真:仮ナンバーをつけて大学構内を走るデロリアンの電気自動車=2月14日、広島市安芸区上瀬野町の広島国際学院大、青山写す仮ナンバーをつけて大学構内を走るデロリアンの電気自動車=2月14日、広島市安芸区上瀬野町の広島国際学院大、青山写す

写真:走行に向けた点検と同時に手作りの充電器(手前)で電池を満たす=広島市安芸区中野6丁目の広島国際学院大、青山写す走行に向けた点検と同時に手作りの充電器(手前)で電池を満たす=広島市安芸区中野6丁目の広島国際学院大、青山写す

写真:電気自動車化されたデロリアンの走行テストにのぞむメンバー。ダッシュボード上に仮ナンバーを取り付けた=広島市安芸区中野6丁目の広島国際学院大、青山写す電気自動車化されたデロリアンの走行テストにのぞむメンバー。ダッシュボード上に仮ナンバーを取り付けた=広島市安芸区中野6丁目の広島国際学院大、青山写す

写真:エンジンルームに搭載されたバッテリー。その下にモーターが取り付けられている=広島市安芸区中野6丁目、青山写すエンジンルームに搭載されたバッテリー。その下にモーターが取り付けられている=広島市安芸区中野6丁目、青山写す

 アメリカ映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年)にもタイムマシンとして登場した希少な名車「デロリアン」を広島市の会社員が入手し、インターネットで募った仲間らと協力して電気自動車(EV)に変身させた。今月11日に車検を通しナンバーも取得。近く公道デビューする。

 正式名称は「DMC―12」。製造した米自動車メーカーの名が通称として広まった。81年からメーカーが倒産する82年末までに約8600台だけ作られた。ステンレス製の車体や独特のデザインが今も人気だ。

 広島市東区の会社員、藤井智康さん(39)はデロリアン愛好家。10年前、中古車を買おうとしたが、故障が多いうえ、環境への負荷となる燃費の悪さに後ろめたさを感じて断念した。その後、古い車をEV化できることを知り、再び探し始めた。

 07年4月、ネットで売られていた事故車を見つけ、EV化を条件に東京の所有者から無償で譲り受けた。

 映画では雷を受けて時代を超えるデロリアン。「タイムマシンとまではいかないが、ガソリン車からEVに進化させたい」。そう思ったものの、藤井さんには技術がない。そこで、インターネットで協力者を募ったところ、電気配線や工作機械設計の技術者たち、元マツダ社員、水素エネルギーを研究する大学院生ら、広島県内に住む15人が集った。

 同年8月から愛知県内の専門店で修理を始めて、エンジンや燃料タンクなどを取り去り、08年1月末には広島国際学院大の倉庫(広島市安芸区)に移して作業した。

 エンジンルームのモーターや充電池に用いたリチウムイオンバッテリーは中古品。家庭用コンセントとつなぐ充電器は自作した。ほかにもリサイクル品を多用したり、エアコンも省いたりして、エコカーに一新させた。電気系統を担当した自動車部品会社に勤める信原優司さん(44)は「原寸大のプラモデルをつくるようだった」と振り返る。

 2月14日には、仮ナンバーをつけて時速60キロほどで公道を走った。藤井さんは「夏は窓全開、真冬は防寒着に湯たんぽを抱えて、本当のエコスタイルで乗りこなしたい。環境問題を考えるイベントなどに活用できれば」と話す。(青山芳久)

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