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2009/03/13

美代子阿佐ヶ谷気分



スパルタローカルズというバンドがあるわけだ。例によってロックの聖地・福岡出身の、パワフルなジャパニーズロックで、結成から10年、メジャーデビューしてから5年なので、そろそろ中堅だな。どんなバンドかは、↑のようつべ見ると判るんだが、ロックです。極めてロック。で、最新盤がこちらです。
11曲入りのシングルという仰天なんだが、



水のようだ

水のようだ
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2009-02-04

結成10年を迎えて尚、安定する事を拒んだバンドが放つ久々のシングル作品は、2009年公開の映画「美代子阿佐ヶ谷気分」(ワイズ出版 *原作はVo/G安部コウセイ、B安部光広の実父、安部慎一氏の作品)の主題歌「水のようだ」に加え、更なる新曲や2008年夏にリリースされた最新アルバム「Leecher」のライブ音源を含めた全11曲入り。
あくまで「シングル作品」と言い張る相変わらずの破天荒ぷりである。
2009年春には初の海外ツアーも決定するなど、そのベクトルは相変わらずどこに向かっていて何をしようとしているのか分からないが、聴く者を常に混乱へと導くひねくれ者の確信犯が世に放つ作品のくせに、何故これ程までに「泣ける」のだろうか。
えっ? 実父、安部慎一?

安部慎一といえば、70年代の漫画専門誌『ガロ』で有名になった男で、「美代子阿佐ヶ谷気分」といえば、時代を象徴する大傑作だ。いやいや、映画化ですか。つうか、安部慎一って、まだ生きてたんだ。漫画マニアのあいだでは、「キチガイになって田舎に帰った」として知られていて、最近では社会復帰して売れない小説なんか書いてるらしい、とまでは知られていたんだが。おいら、ガロだけでなくヤングコミックも読んでいたので、この人の作品はほとんどすべてリアルタイムで読んでます。ほとんど商業ベースに乗らなかった人なので一般的にはあまり知られてないが、時代を象徴する大天才である事は間違いないです。つうか、息子たちは親父よりは売れてるようで何よりです。

セコンドファンファーレ セコンドファンファーレ
価格:¥ 2,800(税込)
発売日:2003-07-02

近年素晴らしいバンドが次々と解散し、それに代わって模倣ばかりのギターロック
なんちゃってオルタナティブが氾濫する中、スパルタローカルズの存在は頼もしい。
このアルバムは日本のロック史に残すべき、もっと多くの人々に聴いてもらうべき名盤だと思います。
ストレートでシンプルなロックですね。まぁ、ようつべに色々とあがってるようなので、楽しんでください。

で、問題は親父の方だ。

愛蓮の家族 オンデマンド版 [コミック] (青林堂B.O.D.シリーズ) 愛蓮の家族 オンデマンド版 [コミック] (青林堂B.O.D.シリーズ)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2005-04-21

作品が少ない上に、ほとんどがごく短いモノばかりなので、単行本も何冊かしか出てないです。代表作の「美代子阿佐ヶ谷気分」は映画化されるという事で、こちらでチラ見できます。
「阿佐ヶ谷の彼の部屋であたし平和よ」
単行本も出てますね。コレです。
美代子阿佐ケ谷気分
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2000-07
カスタマーレビューがまた、最高です。
私の好きなミュージシャンのお父さんです。
精神を病んだ、なんていうスキャンダラスな売り文句は必要ない。
女性が美しいです。
いやいや、「スパルタローカルズのお父さん」になってしまいましたw 

ところで安部慎一というと、「九州からギター抱えて飛行機に乗って家出してきた」ので有名で、当時人気だった漫画家の永島慎次に会いに来たらしい。その後、正式に上京し、ガロやヤングコミックに次々と傑作を発表。高信太郎などに高く評価される。緊迫感のある絵で、私小説的なストーリーを紡ぎ出す人で、「美代子阿佐ヶ谷気分」の美代子という女性はその後、正式に奥さんになる。つまり、スパルタローカルズの二人のお母さんですね。
1970年代初頭に『ガロ』で異彩を放ち、精神を病んで田舎に引きこもった天才劇画家、というのに惹かれて、買ってみました(現在は大分回復しているようです)。確かに紙一重というか、イっちゃってます。でも、僕が一番この作家に惹かれたのは、彼の精神が異常を来す前の作品の女性の美しさです。彼の妻である美代子さんをモデルにしているのですが、何とも静謐な美しさをたたえていると思ったのです(具体的な作品名を挙げるなら「軽い肩」「阿佐ヶ谷心中」「雨の少年」「猫」「浮気女」あたり。1971年、72年頃に描かれた作品)。最近はまんだらけ(マンガ専門の古本屋)社長や大泉さんのような人の再評価もあって、作品集が復刻されつつあります。
漫画が売れないままキチガイになって田舎に帰った安部慎一は、そこで美代子と結婚して美代子に養われる。つうか、実家がそこそこ金持ちだったらしいね。その後も宗教に狂ったり、色々とあったようだが、美代子に支えられて社会復帰。今では実家の仕事(繊維関係)を手伝いながら、小説なんぞを書いてるらしい。で、消えてから20年、今から10年ほど前から再評価の声があがって来たわけです。

もともと、あんまり絵は上手くない人で、あの緊迫感のあるタッチというのも、「まず写真を撮って、それをトレースしながら絵にする」という描き方だったそうで、写真を元にしない作品は物凄く雑です。美代子シリーズにはヌードをはじめ、エロティックなシーンが色々と出てくるんだが、ああいうのもみんな、写真を撮ってトレースしていたらしい。安部慎一も偉いし、息子たちも偉いが、一番偉いのはお母さんだったんですね、という話です。

コメント

このパンツは無いwwwww

>つうか、息子たちは親父よりは売れてるようで何よりです。

今ならコミケがあるので少しはマシかも?w
そう言えば渡辺和博も死んじゃいましたね。

90年代はじめ頃、ガロで安部先生特集読んだ記憶があります。
花輪和一、丸尾末広、平口広美、山田花子を初めて読んだのもガロでしたw

僕は絶望した

前略

ネットゲリラ様

初めまして

いつも見させて頂いています

日本妄想協会 paradigm shift http://mousouryoku.blog87.fc2.com/
というブログをやっています
立川けいヱもんと申します

この度自分のブログからリンクを張らせて頂きました

もしご不快、ご迷惑でしたら
大変お手数をお掛けして恐縮なのですが
このコメントにご返事頂けるか
自分のブログにコメント頂ければすぐにリンクを外します

厚かましいお願い
また記事と関係のないコメント申し訳ありません

敬具

若い頃はいろいろ歌いたいことがあったりして曲を作る潜在力がありますが、だんだんそういうのが無くなってきたときに何も作れくなったりして悩んだりします。
彼らもこれからそれなりに売れるかもしれませんが、音楽やれなくなった時は過去にこだわらずにうまく生きていってほしいですね。

70年代、80年代のアングラな空気を書き殴る野次馬さんのエントリーが大好きです。気が向いたらまたお願いします。

>このパンツは無いwwwww

おぢさん的には 充分有り です。
つ~か 好物です。

>僕は絶望した


内ゲバで頭殴られた学生が友人に高校時代の塾通いについて語るところですね。
俺は昔からこの作家の大ファンです。
俺はこの写真を写した絵がかもしだすリアリテイーがものすごく好きなんだが、下手な絵の作品にもいいのありますね。
筑豊でヤクザに刺される話とか。
この人は天才です。

>スパルタローカルズというバンドがある

どこが良いのかご説明頂きたい。

使い古しのパターンじゃん?

ゲリラさん、日本と日本人を守って!
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http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=5&board=552022058&tid=cf9qa4nhbfffca5ga5b&sid=552022058&mid=83344#under-deli
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上記書き込みで疑問なのは過去及び現在、税金は年金の原資ではない。年金をもらうには国民年金なり厚生年金に加入・支払いが必要だと思うのですが・・・よって、在日が税金はらってるから年金よこせって、可笑しいですよね。

内ゲバじゃない。
いま思い出した。
確か、プロ革とかいう架空の対立セクトにだ。
細かいことすみません。


この人の剣道のマンガも好きだった。
この人は男女だけでなく、男同士の友情(というか関係)も
描かせたら、天下一品だったね。
あ、そっち系の男同士じゃないよ。
この人の描く病的な痩せた女の裸体とか、野次馬さん、好きそう。(笑)

 永島慎二といういかにも「阿佐ヶ谷」風漫画家も阿佐ヶ谷在住。駅近くに表札が出ているので目立ちます。

 先日、ゴールデン街のブルースバーの階段から友人が転げ落ちて脳内出血となったが、奇跡的に回復。三半規管の軟骨にヒビが入ったため、まだ歩行が左右にふらつくという。

 アホバカ。おれが散々溜まっていた場所なんかに同期会の帰りに立ち寄ったりするんじゃないっての。阿佐ヶ谷って、ほんとに吹きだまりなんだから。直木賞でも取って凱旋するならともかく、無様な人生を送っているうちは近づくな!

 この音楽、いかにも阿佐ヶ谷というか。シオランの描いた地獄酒場のごとく悪酔いする。

この人確か、九州に帰って農業してたような気がします。

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