【モスクワ=副島英樹】鳥取県の水産加工会社「日吉水産」所有のカニかご漁船第38吉丸が日本海で拿捕(だほ)された事件で、ロシア国境警備局は28日、第38吉丸が日本海のロシア側排他的経済水域に入ったとして27日に臨検を実施し、拘束したことを明らかにした。
同局の報道担当者によると、パトロール船が漁船の船内を調べた結果、冷蔵したカニが見つかったが、漁船側が操業の合法性を示す文書を提示できなかったとしている。
日本外務省も28日、第38吉丸が27日夜、ロシア当局に拘束され、ロシアに向けて連行されているとの情報を確認した。乗組員10人の健康に問題はないという。ロシア国境警備当局が日本海沿岸のナホトカに向けて連行しており、28日夜から29日明け方に到着予定だという。外務省はロシア側に、国際法上の義務と人道的観点から、乗組員と船体の早期解放を申し入れた。