滝川市の市立中学1年の男子生徒(13)が5日朝、自宅のある集合住宅から飛び降り自殺を図り、右足骨折の重傷を負った問題で、同校と市教委は7日、保護者への説明会を開き、経過などを報告した。市教委などは男子生徒が飛び降りる直前に家族へ送った携帯電話のメール内容や、6日に全校生徒を対象に実施したアンケートの回答から、男子生徒がいじめに遭っていた可能性が高いと判断。事実関係の確認を急ぎ、対策を講じる考えを示した。
小田真人教育長らによると、メールには暴力によるいじめを受けていたことと、相手の生徒1人の名前があった。さらにアンケートでは、「男子生徒が暴力を受けていたのを見た」との回答が複数あったほか、「他にもいじめを受けている生徒がいる」との訴えもあった。
説明会には保護者130人が出席し、市教委などはメール内容やアンケート結果を報告。保護者からは「学校は事前に気付かなかったのか」「事実がはっきりしなければ学校との共通認識を持てない」「死を覚悟した生徒の思いを真剣に受け止めるべきだ」などの意見が出され、学校側のいじめへの対応が不十分だったことへの厳しい指摘が相次いだ。
滝川市では05年9月、市立江部乙(えべおつ)小6年の松木友音(ともね)さん(当時12歳)がいじめを苦に自殺を図り、06年1月に死亡した。市教委は同12月、「耐え難いいじめ」があったとする調査報告書をまとめ、体制を一新していじめ根絶に取り組んできた。それだけに今回の衝撃は大きく、小田教育長は「生徒や保護者の不安を取り除くため、きちんと対応したい」と述べ、事実関係が明らかになった段階で改めて説明会を開く意向を示した。【西端栄一郎】
毎日新聞 2009年3月8日 北海道朝刊