滝川市の市立中学1年の男子生徒(13)が飛び降り自殺を図って重傷を負った問題について、市教委は10日の市議会総務文教常任委員会で、全校生徒を対象にしたいじめに関するアンケートの結果、いじめにかかわった生徒をほぼ特定したと報告した。市教委は引き続き、慎重に事実関係を調べる。
報告によると、「男子生徒がいじめられているのを見たり聞いたりしたことがあるか」との質問には、全生徒(444人)の2割弱の75人が「ある」と回答。「脅されたのを見た」「金品を要求されたのを見た」「掃除のモップで殴られていた」など具体的な記述が延べ88件あった。
市教委は、回答などからいじめに関与したのは同学年と上級生の計3人と判断。3人とも回答の内容を認めたことを明らかにした。
一方、「現在、いじめを受けているか」との質問には、「無視された」「言われのない中傷を受けている」「言葉によるいじめを受けている」などが7人。また、約300人がいじめを非難する回答を寄せた。
市教委の報告に対し、議員からは「いじめを見聞した回答がこれだけあったのに、教師たちが気付かなかったのはおかしい」「江部乙(えべおつ)小の女児自殺の教訓が生かされていない」など、厳しい意見が相次いだ。小田真人教育長は「情けなく、怒りに近い感情もある。(学校の)管理者が役割を果たしていたか疑問がある」と話し、小中学校に対して指導を強化する考えを示した。【西端栄一郎】
毎日新聞 2009年3月11日 地方版