豊前市教委は9日の市議会一般質問で、市立10小学校と4中学校で児童生徒の携帯電話持ち込みを原則禁じたことを明らかにした。県教委義務教育課によると、県内で児童生徒が携帯電話を校内に持ち込むことを原則禁止にしているのは柳川市、宇美町に次いで3例目。他に芦屋町が「脱ケータイ宣言」を出している。【出来祥寿】
児童生徒の携帯電話を巡っては08年7月に国から、09年2月には県から学校での指導を徹底するよう、各自治体へ通知されている。
豊前市の各校も携帯電話を持ち込まないよう個別に指導していたが、市教委は携帯電話のサイトを舞台にいじめが起きたり、その結果として児童生徒が自殺する例が全国的に起きていることを考慮。2月9日の市教育委員会で携帯電話の利用に関する指針を決め、同17日の校長会を通じて各学校、各家庭に文書で知らせた。
指針は、家族の病気など、やむを得ない事情を除き、学校への持ち込みを禁じ、持ち込むには校長の許可が必要としている。家庭でも自宅では居間で使うことや食事や懇談中、深夜に使わないことなどルールを決めるよう求めている。
市教委によると、今月5日現在の携帯電話の所持率は小学校が1551人中140人(9%)、中学校は610人中223人(36・6%)。
森重高岑(たかみね)教育長は「親が思っているより、携帯電話を使うことの危険性は高く、親と子供の携帯電話に対する認識にもギャップがある。子供たちの身を守るために、携帯電話を持たせないようにしてほしい」と話している。
〔京築版〕
毎日新聞 2009年3月10日 地方版